最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

放火殺人事件、放火罪に殺人分も判断できる

2018-03-23 19:36:13 | 日記
平成28(あ)190  現住建造物等放火被告事件
平成29年12月19日  最高裁判所第三小法廷  決定  棄却  東京高等裁判所

 現住建造物等放火罪に該当する行為により生じた人の死傷結果を,その法定刑の枠内で,量刑上考慮することは許される。

ニュースでは出てきてません。この事件だったようです。

裁判所の事実確認を見ます。
1 本件公訴事実の要旨は,被告人は,平成23年12月29日午前4時38分頃,埼玉県大里郡寄居町所在の2名が現に住居に使用し,かつ,同人らが現にいる居宅(木造トタン葺平屋建,床面積約115.03㎡)に延焼し得ることを認識しながら,上記居宅に隣接した作業場建物の軒下に積み上げられていた段ボールに,ライターで着火して火を放ち,その火を上記居宅に燃え移らせて全焼させたというものである。
2 居宅に居住していた2名が逃げ切れず一酸化炭素中毒により死亡したことをも考慮し,被告人を懲役13年に処した。
3 被告は,現住建造物等放火罪の訴因にも罪となるべき事実にも記載されていない死亡の結果を量刑上考慮したことは,不告不理の原則に反する旨主張する。


結論として
放火罪は,火力によって不特定又は多数の者の生命,身体及び財産に対する危険を惹起することを内容とする罪であり,人の死傷結果は,それ自体犯罪の構成要件要素とはされていない。
現住建造物等放火罪に該当する行為により生じた人の死傷結果を,その法定刑の枠内で,量刑上考慮することは許されるというべきである。
本件においては,放火により焼損した居宅内にいた2名が一酸化炭素中毒により死亡しており,これを本件の量刑事情として考慮した第1審判決を是認した原判決に所論のいうような違法はない。



今回の判決は、放火罪の中にその火事で死んだ人の分の罪の償いは含まれるべきかが争われたようですが、過去の判例にでこの点は争われなかったのでしょうか。結論から言えば、現住建造物等放火罪の法定刑は死刑、無期懲役、5年以上の有期懲役と規定されており、現行法上殺人罪(刑法199条)と全く同等の法定刑を有する重罪とされているので、どっちだって結論は同じになります。まあ、法律家は結論はどうであれ、手続きが正しければとんでもない結果になっても構わないので、裁判になったのでしょう。

法律オタクのための裁判と言っても良いものでした。

第三小法廷 全員一致
裁判長裁判官 木内道祥
裁判官 岡部喜代子
裁判官 山崎敏充
裁判官 戸倉三郎
裁判官 林 景一

刑期そのものもで見ると家を丸焼けにして、2人も殺しておいて、延焼の危険もあったのにたった13年というのはどうなんでしょうか。量刑相場に振り回され過ぎていませんか?


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