最高裁判所裁判官の暴走を許さない

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印鑑の印象は個人情報ではない

2019-05-07 08:36:22 | 日記
平成29(受)1908  保有個人情報開示請求事件
平成31年3月18日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  広島高等裁判所  岡山支部

相続財産についての情報は,被相続人の生前に個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても,直ちに相続人等の「個人に関する情報」に当たるとはいえない

事実認定から見ていきます。
(1)ある人Aさんが銀行口座を作りました。当然印鑑と生年月日と住所を登録しました。
(2)Aさんは口座を作って1年もしないうちに死亡しました。法定相続人は被上告人含めて3人でした。
(3)Aさんが口座を作ったとき、上告人を相続人とする遺言書を書いていました。


上告人は、Aさんが申請した書類を出せと訴えたようです。多分印鑑がどれかわからなくなったのでしょう。

原審は
生前に法2条1項にいう「個人に関する情報」であったものは,当該相続財産が被相続人の死亡により相続人や受遺者(以下「相続人等」という。)に移転することに伴い,当該相続人等に帰属することになるから,当該相続人等に関するものとして上記「個人に関する情報」に当たる。
としました。

個人情報の保護に関する法律、いわゆる個人情報保護法2条は1項は
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)


これについて最高裁は、
法が,保有個人データの開示,訂正及び利用停止等を個人情報取扱事業者に対して請求することができる旨を定めているのも,個人情報取扱事業者による個人情報の適正な取扱いを確保し,上記目的を達成しようとした趣旨と解される。・・・て法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるか否かは,当該情報の内容と当該個人との関係を個別に検討して判断すべきものである。

結論
相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても,そのことから直ちに,当該情報が当該相続財産を取得した相続人等に関するものとして上記「個人に関する情報」に当たるということはできない。

全員一致でした。
結論は被上告人に開示しなさいというもので、私も納得します。これがなければ相続手続きができませんから。
しかし、相続であっても個別で判断しなければならない?そこですか?相続であれば無条件に相続人に開示しなければどうしようもないじゃないですか。

さらに最高裁は、
本件印鑑届書にあるその余の記載も,被上告人と上告人との銀行取引に関するものとはいえない。その他,本件印鑑届書の情報の内容が被上告人に関するものであるというべき事情はうかがわれないから,上記情報が被上告人に関するものとして法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるということはできない。

要するに印鑑の印象は個人情報ではないと。そこは当然なんですけどね。

第一小法廷
裁判長裁判官 木澤克之 今一つ
裁判官 池上政幸 今一つ
裁判官 小池 裕 今一つ
裁判官 山口 厚 今一つ
裁判官 深山卓也 今一つ


そういえば、この小法廷は女性がいないのですね。

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