最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

インスタ乗っ取り裁判、開示を認める結果はいいが、判断するプロセスで技術を勉強しなさすぎ

2025-02-26 17:58:12 | 日記

令和5(受)1583  発信者情報開示等請求事件
令和6年12月23日  最高裁判所第二小法廷  判決  その他  大阪高等裁判所

 1 プロバイダ責任制限法(令和3年法律第27号による改正後のもの)5条2項の規定は、権利の侵害を生じさせた特定電気通信及び当該特定電気通信に係る侵害関連通信が令和3年法律第27号の施行前にされたものである場合にも適用される。
2 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後、上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための8回の通信が同一の経由プロバイダの提供するインターネット接続サービスを利用してされた場合において、⑴上記投稿と上記各通信との関連性の程度を示す事情は両者の時間的近接性以外にうかがわれないこと、⑵上記各通信の中では上記投稿の21日後にされた1回の通信が上記投稿と最も時間的に近接すること、⑶上記アカウントにおいては、上記投稿がされてから上記各通信がされるまでの間に、上記経由プロバイダの提供するインターネット接続サービスを利用した2回のログインのための通信がされているものの、上記経由プロバイダは、自らが保有する通信記録の中からこれらの2回の通信に対応するものを特定できなかったことという判示の事情の下では、上記1回の通信は、上記投稿との関係で、プロバイダ責任制限法施行規則5条柱書きにいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たる。
3 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後、上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための8回の通信が同一の経由プロバイダの提供するインターネット接続サービスを利用してされた場合において、⑴上記投稿と上記各通信との関連性の程度を示す事情は両者の時間的近接性以外にうかがわれないこと、⑵上記経由プロバイダは、上記各通信の中で上記投稿と最も時間的に近接するものに係る発信者情報を保有しており、これに加えて、あえてその余の7回の通信に係る情報の開示を求める必要性を基礎付ける事情はうかがわれないことという判示の事情の下では、上記7回の通信は、上記投稿との関係で、プロバイダ責任制限法施行規則5条柱書きにいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるとはいえない。

日経新聞の報道です
インスタなりすまし投稿、一定期間過ぎても開示 最高裁
画像共有アプリ「インスタグラム」でなりすまし投稿をされたとして、女性がNTTドコモに投稿者の情報開示を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は23日、投稿から一定期間が過ぎたログイン情報でも開示が認められうるとの初判断を示した。

発信者の情報開示はネット上の権利侵害に対し賠償請求を求める前提となる手続きで、迅速・適正な被害回復を重視し、柔軟な運用を求めたかたちだ。

産経の方が分かりやすいそうです。図も入っていますし。詳しくはリンク先を見て下さい。
産経の報道です
「投稿と最も近接」するログイン情報開示認める 最高裁が初判断、インスタなりすまし訴訟
ログイン情報は問題投稿との関連性を考慮し、発信者特定に必要な範囲で開示できると指摘。問題投稿とログイン情報について「時間の近接性以外に関連を示す事情が不明な場合が多い」とし、最も時間的に近いログイン情報を開示対象にするとした。

また、それ以外でも「情報開示の必要性を基礎づける事情」があれば、開示できるとした。

原告はインスタグラムで自分の写真などを投稿していたが、別のアカウントでなりすまし被害に遭ったと主張。NTTドコモに投稿者の情報を開示するよう求めていた。

問題投稿直後のログイン情報は通信記録が特定できず、最高裁は21日後のログイン情報が「最も時間的に近い」とした。

では事実認定を見ましょう。
(1) インスタグラムはIPアドレスなしでパスワードとIDがあっていれば入れる。
(2)氏名不詳は、本件アカウントにおいて、令和3年4月29日に第1審判決別紙投稿記事目録の投稿①~④記載の各記事を、日時不明の時期に同目録の投稿⑤記載の記事をそれぞれ投稿した。

乗っ取られたようですね。私もインスタを乗っ取られたことがありますが、なりすまし投稿もなかったので速攻でインスタグラムのID丸ごと削除しました。仕事で使うと言われましたが、全く運営者も雑な管理だったようなので削除です。

(3)上告人は、本件各ログインにつきインターネット接続サービスを提供した者であって、本件各情報を保有している。 
(4)上告人の提供するインターネット接続サービスを利用した2回のログインのための通信がされたが、上告人は、自らが保有する通信記録の中から本件介在ログインに対応するものを特定できなかった。 

被害者が契約しているプロバイダー経由での接続ではなかったことが分かったようです。

(5)特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律の4条1項に基づいて誰がやったか開示請求をした。

これについて最高裁は、
改正前法4条1項の規定ではなく、改正後法5条2項の規定が適用されるか否かを争点にしました。

(1)令和3年改正法附則には、改正前法4条2項の規定による意見の聴取を改正後法6条1項の規定によりされた意見の聴取とみなす旨の定めがあるものの(2条)、令和3年改正法その他の法令において、そのほかに、権利の侵害を生じさせた特定電気通信及び当該特定電気通信に係る侵害関連通信が令和3年改正法の施行前にされた場合について、改正後法の規定の適用を排除し、改正前法の定めるところによる旨の経過措置等の規定は置かれていない。また、令和3年改正法は、改正後法5条において、発信者情報の開示請求権の要件を一部整理するなどしたものであって、発信者情報の開示請求権そのものを新たに創設したものではない。 

面倒くさいこと書いていますが、法律の趣旨は改正前と同じであるので、旧法律の条文ではなく新条文を使うのはおかしいとしています。
(2)ア 改正後法5条1項、2項は、侵害情報の発信者の特定のためには当該侵害情報の送信に係る発信者情報の開示を認めるのが最も適切と考えられる。・・・被害者の権利救済の必要性と通信者等のプライバシー、表現の自由及び通信の秘密との均衡を踏まえた要件の下で、被害者が、侵害関連通信に係る発信者情報の開示を請求することができる旨を明示的に規定したものと解される。


ここからが良くわかりません


他方で、ログイン通信等は、それが侵害情報の発信者によって行われたものであるとしても、それ自体に権利侵害性はない上、開示対象となる情報の内容は、通信がされた時期や通信に利用された機器等によって異なることがあり、通信の時間・場所など当該発信者の行動等まで推知させる情報や、当該発信者が利用したインターネット接続サービスに関する契約を締結している第三者の情報等も含み得るから、その開示によりこれらの者の権利利益が制約されることは否定できない。

ということは他人のIDにはいて何かを投稿すること自体は権利の侵害ではない?訳わかりませんね。極端な話、裁判所のHPにエロ動画を乗せても問題がないと?以前ハッキングされているのによくそんな悠長なことを言ってますね。バカですか?

イ 本件について、本件投稿との関係でみると、これらの投稿と本件各ログインとの関連性の程度を示す事情は両者の時間的近接性以外にうかがわれないところ、本件各ログインの中では、本件投稿の21日後にされた本件ログイン②が、これらの投稿と最も時間的に近接する。また、本件投稿①~④と本件ログイン②との間には本件介在ログインが存在するが、上告人は自らが保有する通信記録の中から本件介在ログインに対応するものを特定できておらず、本件介在ログインに係る情報からこれらの投稿をした者を特定することは困難であって、あえて本件ログイン②に係る情報の開示を求める必要性を基礎付ける事情があるといえる。

本件ログイン②は、本件投稿①~④との関係で、施行規則5条柱書きにいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるというべきである。 

要するに入り込まれただけでは権利の侵害とは言い切れないとしているようです。発想が甘っちょろいですね、これは住居侵入と同等に扱うべきですよ。個人情報を登録して、よそには見られないようにすることも実際にはあります。裁判官は技術がほとんど分かってないんでしょうね。

裁判長裁判官 尾島 明 
裁判官 三浦 守 
裁判官 草野耕一 
裁判官   岡村和美

危機感なさすぎます。技術を勉強しましょう。



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