平成31(あ)506 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件
令和元年11月12日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 名古屋高等裁判所
ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
1枚ものの判決です。ニュースでも取り上げられていない事件でした。
では判決文です。
弁護人奥村徹の上告趣意のうち,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)7条5項の規定について憲法21条1項違反をいう点は,児童ポルノ法7条5項が表現の自由に対する過度に広範な規制であるということはできないから,前提を欠き,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,ひそかに児童ポルノ法2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たると解するのが相当である。これと同旨の原判断は正当として是認できる。
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
児童ポルノ法7条5項
5 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
基本的に紙媒体だけでなく、電磁記録も駄目よということです。
ちなみにスウェーデンの最高裁判決では、「スウェーデン最高裁における非実在児童ポルノ所持無罪判決」がでています。
要約すると、ロリコンもののアニメだか画像をUSBか何かでスウェーデンに持ち込んだところ、児童ポルノだとして警察に拘束されたようですが、結局それは実際の人物を移したものではなく創作物だからとして無罪になったようです。
今回の事件では論点として挙がっていないので、おそらく実写版だと思います。それをプリンタで印字したのは、表現の自由の範囲内だと訴えたようです。
だとするとこの判断は当然でしょう。
というか、それがなんで最高裁まで争われたのか、門前払いレベルじゃないの?と思いますけど。
裁判長裁判官 木澤克之 当然
裁判官 池上政幸 当然
裁判官 小池 裕 当然
裁判官 山口 厚 当然
裁判官 深山卓也 当然
しかし、今の技術だと実写なのかコラージュなのか、はたまた絵なのか分からない物ができるようになってしまいました。となると、どこで判断するか裁判官は今のうちに研究しておいた方がよさそうです。
令和元年11月12日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 名古屋高等裁判所
ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
1枚ものの判決です。ニュースでも取り上げられていない事件でした。
では判決文です。
弁護人奥村徹の上告趣意のうち,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)7条5項の規定について憲法21条1項違反をいう点は,児童ポルノ法7条5項が表現の自由に対する過度に広範な規制であるということはできないから,前提を欠き,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,ひそかに児童ポルノ法2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たると解するのが相当である。これと同旨の原判断は正当として是認できる。
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
児童ポルノ法7条5項
5 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
基本的に紙媒体だけでなく、電磁記録も駄目よということです。
ちなみにスウェーデンの最高裁判決では、「スウェーデン最高裁における非実在児童ポルノ所持無罪判決」がでています。
要約すると、ロリコンもののアニメだか画像をUSBか何かでスウェーデンに持ち込んだところ、児童ポルノだとして警察に拘束されたようですが、結局それは実際の人物を移したものではなく創作物だからとして無罪になったようです。
今回の事件では論点として挙がっていないので、おそらく実写版だと思います。それをプリンタで印字したのは、表現の自由の範囲内だと訴えたようです。
だとするとこの判断は当然でしょう。
というか、それがなんで最高裁まで争われたのか、門前払いレベルじゃないの?と思いますけど。
裁判長裁判官 木澤克之 当然
裁判官 池上政幸 当然
裁判官 小池 裕 当然
裁判官 山口 厚 当然
裁判官 深山卓也 当然
しかし、今の技術だと実写なのかコラージュなのか、はたまた絵なのか分からない物ができるようになってしまいました。となると、どこで判断するか裁判官は今のうちに研究しておいた方がよさそうです。
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