最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

県議会の不穏当事実誤認発言の議事録削除は裁判所で判断すべきではない

2018-06-16 08:23:05 | 日記
平成29(行ヒ)216  議場における発言取消命令取消請求事件
平成30年4月26日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  名古屋高等裁判所

 愛知県議会議長の同県議会議員に対する発言の取消命令の適否は,司法審査の対象とはならない。

共同通信の報道ではこのようになっています。
 愛知県議会議長が議会での発言を削除するよう命じたのは不当として、筒井隆弥県議が命令の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は26日、二審名古屋高裁判決を破棄する判決を言い渡した。県議敗訴の一審名古屋地裁判決が確定した。
 小池裁判長は「地方自治体の議会での争いは、議会内の問題にとどまる限り裁判所の審査対象にはならない」と指摘。今回の問題は、議会の自主的な解決に委ねるべきだと述べた。
 一審判決は訴えを却下したが、二審は「発言が記載される権利は重要だ」とし、地裁で審理をやり直すよう命じた。議長側が不服として上告していた。


県議会議員が不穏当な発言をしたため、議長がそれを取り消すように命じました。
それを不服とした議員が、取り消しを求めるように訴えました。
また県知事も事実誤認の発言だとして訂正を求めました。
愛知県議会会議規則は,普通地方公共団体の議会に会議規則の制定を義務付けた地方自治法120条に基づいて設けられたもので、配布用会議録には秘密会の議事並びに県議会議長が取消しを命じた発言及び62条の規定により県議会議員が自ら取り消した発言は掲載しないとしている(123条)。


高裁では以下のように判断されました。
本件規則121条2項が原則として県議会議員の議事における発言を逐語により会議録原本に記載し,同規則122条が配布用会議録を議会外に配布することを定めた趣旨は,地方自治法123条1項が議長に付与した会議録調製権を制限し,同法115条にいう議事の公開の原則を推し進めることにあり,県議会議員に対し,その発言が逐語により記載された配布用会議録が議会外に配布されることによって住民に公開されることを保障したものと解される。したがって,上記の発言が配布用会議録に記載される権利は一般社会と直接関係する重要な権利であり,これを制限する本件命令の適否は,議場の秩序保持という単なる内部規律の問題にとどまらず,裁判所法3条1項にいう法律上の争訟として司法審査の対象となる。


私はこれに納得です。

ところが最高裁は、
(1) 裁判所法3条1項にいう一切の法律上の争訟とは,あらゆる法律上の係争を意味するものではなく,その中には事柄の特質上自律的な法規範を有する団体の内部規律の問題として自治的措置に任せるのを適当とするものがある。
・・・一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り,その自主的,自律的な解決に委ねるのを適当とし,裁判所の司法審査の対象とはならないと解するのが相当である(最高裁昭和34年(オ)第10号同35年10月19日大法廷判決・民集14巻12号2633頁参照)。


解せません。事実認定からすれば、事実誤認で不穏当な発言があったとなれば、一般市民の法秩序の維持に影響が出ているでしょう。議場内だけの混乱ですか?支持者がいるはずですよね。

(2)地方自治法104条は,普通地方公共団体の議会の議長は,議場の秩序を保持し,議事を整理する旨を規定し,同法129条1項は,議会の会議中,同法又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは,議長は,発言を取り消させ,その命令に従わないときは,その日の会議が終わるまで発言を禁止し又は議場の外に退去させることができる旨を規定している。・・・,議長に当該発言の取消しを命ずるなどの権限を認め,もって議会が当該発言をめぐる議場における秩序の維持等に関する係争を自主的,自律的に解決することを前提としているものと解される。


結論は
県議会議長の県議会議員に対する発言の取消命令の適否は,司法審査の対象とはならないと解するのが相当である。

いや、これもどうかと。司法は政治に介入しないという大原則があるとはいえ、事実誤認の発言で議場を混乱させたとするなら、その内容を詳らかにして真偽を争い、かつその内容の真偽を付して一般に公開すべきじゃないでしょうか。
これは住民が次に投票するための判断材料を奪っています。

裁判長裁判官 小池 裕 今一つ
裁判官 池上政幸 今一つ
裁判官 木澤克之 今一つ
裁判官 山口 厚 今一つ
裁判官 深山卓也 今一つ


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