最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

状況証拠のみの強盗殺人、高裁の無罪が逆転

2018-07-22 07:55:57 | 日記
平成29(あ)837  強盗殺人被告事件
平成30年7月13日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄差戻  広島高等裁判所  松江支部


被告人を殺人及び窃盗の犯人と認めて有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

毎日新聞の報道です。

鳥取県米子市で2009年、ホテル支配人を殺害したとして強盗殺人罪に問われた同市の無職、石田美実被告(61)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は13日、逆転無罪を言い渡した2審・広島高裁松江支部判決(17年3月)を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。小法廷は「2審判決は間接証拠の総合評価を欠き、1審判決の不合理さを具体的に示していない」と指摘した。



事実認定は以下の通りです。
(1) 本件の犯人は,本件事務所から少なくとも二百数十枚の千円札を含む約2 6万8000円の現金を奪取したと認められるところ,被告人は,本件発生から約 12時間後,ATMから自己名義の預金口座に230枚の千円札を入金している。
(2) 本件は,当日午後9時34分頃から午後10時12分頃の数分前までの間 に発生したと認められる。
(3) 本件事務所は,1階部分に客室専用駐車場が設けられていないほかは,建 物の外側から見て他の客室と特段の違いはない上,その位置関係や本件ホテルの施 錠状況等に照らし,本件ホテルの内部構造を知らない者にとっては,本件ホテルの 建物内で最もアクセスしにくい場所であった。
(4) 以上に加え,①被告人が本件直後に県外へ移動し,妻や交際相手との音信 を絶ち,警察官からの出頭要請を無視していたという一連の行動は,本件による検 挙を恐れての逃走と評価でき,②被告人以外の本件ホテルの従業員が本件犯行を行った可能性は認められないという事実関係が同時に存在する。


一審では裁判員裁判によって、有罪となりましたが、二審で逆転無罪判決となりました。最高裁では、二審の高裁で一審を覆す合理的根拠がないとしました。

最高裁は
(1)被告人が本件発生の約1 2時間後にATMから自己名義の預金口座に230枚の千円札を入金した事実及び 本件犯人が本件事務所から少なくとも二百数十枚の千円札を含む現金約26万80 00円を奪取した事実を認定した点は不合理といえない。
(2)「被告人には本件犯行に及ぶ 機会があった」と認定した第1審判決の認定が不合理とはいえないとしつつ,その 事実のみで被告人が犯人であると推認できないことは明らかであるとしている。



結論
第1審判決の説示を分断して個別 に検討するのみで,情況証拠によって認められる一定の推認力を有する間接事実の 総合評価という観点からの検討を欠いており,第1審判決の事実認定が論理則,経 験則等に照らして不合理であることを十分に示したものと評価することはできな い。第1審判決に事実誤認があるとした原判断には刑訴法382条の解釈適用を誤 った違法があり,この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を 破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。

物証がなく状況証拠で強盗殺人が認定されました。状況証拠で殺人が認定されるのか?の疑問ですが、過去の判例で認められているようです。
となると、今回の裁判は高裁が裁かれた裁判と言ったところでしょうか。素人目には疑問に思えるところがありますが、毒殺などがあれば状況証拠しか残らないケースしかないので、こうせざるを得ないのでしょう。


裁判長裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸
裁判官 菅野博之
裁判官 三浦 守


最新の画像もっと見る

コメントを投稿