退職組織の渡島・檜山・函館三支部協議会が江差町で開催され、他の函館支部役員6名とともに参加した。昼食は、江差追分会館の隣にある江差屋でにしんそばを食べた。
このにしんそばだが、かけそばの上に身欠きニシンの甘露煮を載せたもので、北海道や京都府の名物料理となっている。江戸時代より、蝦夷地(現在の北海道)はニシン漁で繁栄していた。冷凍・冷蔵技術や輸送技術が未発達だった当時、水揚げされたニシンは乾燥品の身欠きニシンに加工されたのち、北前船などの海路で本州に移出されて流通し、長期保存が可能な海産物として重宝されていた。
「江差の5月は江戸にもない」といわれたほどニシン漁で栄えた江差町には、200年の歴史を持つ豪商「横山家」に伝わったレシピがあり、当地での元祖と言われる。自分がこのにしんそばを初めて食べたのも、20代のころで、やはりこの横山家だった。現在、江差町内には他にも12軒以上にしんそばを提供する飲食店があるらしい。また、江差だけでなく、函館市内や昔にしんで栄えた日本海側の町でも食べることができるようだ。