Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『風立ちぬ』とオリンピック

2013-09-09 | Weblog
2020夏季五輪招致で安倍首相は演説後、記者団に「誤解は解けた。世界で最も安全な都市だという理解はいただいた」と言う。東京のプレゼンに対し、海外メディアは東電福一原発の汚染水について首相が「東京に被害がないことを保証する」と発言したことを評価する声が相次いでいるという。なるほど。当事国の総理大臣が情熱に溢れて原発の安全を説明したことで勝つチャンスが増したわけだ。一国の総理が「安全性を保証した」ことになっている。すぐに化けの皮が剥がれると思うが。
オリンピックの残る一つの競技はスカットでも野球・ソフトボールでもなく、レスリングだった。

オリンピックの話は不愉快なので、日本を離れたら観られなくなると気づいて映画館に駆け込んでやっと観た映画『風立ちぬ』について。
いろいろと賛否両論というが、そんなに主人公の性格に問題があるとも思われない。タバコを吸いすぎるのは時代のせいだろう。
「夢」の「所有格」について私はよく考えるので、この映画のほとんどがそこを展開の基準にしていることに驚かされた。実に観念的だ。冒険ロマンのプロットでは、まったくない。筋書きも、人物に対しても、非常に距離を取っていて、しかし巧みに運ぶので、飛躍が多いことに気づかない人もいるだろう。
宮崎監督がこれだけの構えで個人的な映画を撮ったことに感心する。
で、やはり、戦争とオリンピックは、共通したにおいがある。という感想は、否定できない。
なぜ音がモノラルで人の声を使っているのかとか、気づいたことや言いたいことはいろいろあるが、それはまた、あらためて。
コメント
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