テルニ国際創造フェスティバルでの『屋根裏』上演を終える。満席。階段席はすぐに埋まったが、イタリアの観客は追加の桟敷席のクッションで二時間超の劇を観ることを厭わない。観客の集中力はたいへんなもので、上演時間中はまったく熱気さめやらず、日本以上に細やかな反応がある。ヤルタとローマで稽古の手直しをしたことが功を奏して、かねてから越えられなかった課題をクリアできたり、日本語を解さない観客を相手に何を見せるかという命題に向き合い多くの示唆を得た俳優も多く、ローマ以降に演技のレベルも向上、演じる側の手応えもあり、充実した上演だったと思う。
どうやら『屋根裏』は本フェスティバル随一の大作ということになっていたのだった。ステージングの巧みさ、クオリティの高さへの賞賛も多く聞かれた。「こんな芝居は観たことがない」という声、世界的な社会の変化への批評性について、さらに、この劇からも感じるらしい伝統と現在についての関心、等々、終演後に質問も多々あり、ともあれ圧倒的な反響だったといえるようだ。
フェスティバルのスタッフも優れていて、ハートフル。イタリア人気質というか、何かことあるごとに口々に怒濤のように喋りまくるので、それをなるべく大切にしつつこちらが意見を返すタイミングをはかるのが通訳を挟む場合もあるのでまたたいへん疲れるのだが、それだけ真摯で情熱家なのである。こちらが何をしようとしているかを理解すると反応はおそろしく早い。もちろん事前に書面で打ち合わせのやり取りはしているわけだが、現地に来てみないとわからないことも多々あり、空間に応じたしつらえ直しを多くしたが、現地の照明機材の一部の故障が直りきらなかったりしたこと以外は、ほとんどの要求が実現したし、対応策は講じた。そして、こういうフェスティバルでスタッフ全員がちゃんと舞台を観てくれたというのも珍しいのではないか。気持ちのいい人たちだ。
二度目の上演は午後10時15分から(もちろんご当地の常識として大幅に遅れたが)だったので、撤去作業と梱包終了は深夜三時近くとなる。
皆さまおつかれさまである。
どうやら『屋根裏』は本フェスティバル随一の大作ということになっていたのだった。ステージングの巧みさ、クオリティの高さへの賞賛も多く聞かれた。「こんな芝居は観たことがない」という声、世界的な社会の変化への批評性について、さらに、この劇からも感じるらしい伝統と現在についての関心、等々、終演後に質問も多々あり、ともあれ圧倒的な反響だったといえるようだ。
フェスティバルのスタッフも優れていて、ハートフル。イタリア人気質というか、何かことあるごとに口々に怒濤のように喋りまくるので、それをなるべく大切にしつつこちらが意見を返すタイミングをはかるのが通訳を挟む場合もあるのでまたたいへん疲れるのだが、それだけ真摯で情熱家なのである。こちらが何をしようとしているかを理解すると反応はおそろしく早い。もちろん事前に書面で打ち合わせのやり取りはしているわけだが、現地に来てみないとわからないことも多々あり、空間に応じたしつらえ直しを多くしたが、現地の照明機材の一部の故障が直りきらなかったりしたこと以外は、ほとんどの要求が実現したし、対応策は講じた。そして、こういうフェスティバルでスタッフ全員がちゃんと舞台を観てくれたというのも珍しいのではないか。気持ちのいい人たちだ。
二度目の上演は午後10時15分から(もちろんご当地の常識として大幅に遅れたが)だったので、撤去作業と梱包終了は深夜三時近くとなる。
皆さまおつかれさまである。