Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『天使も嘘をつく』が、瀬戸内市に建設中のメガソーラーと関わる件

2016-11-28 | Weblog
『天使も嘘をつく』には、現在、岡山県瀬戸内市に建設中のメガソーラーをモデルにした。「セノウチ市のメガソーラー」が登場する。
じっさい、錦海塩田跡地に、国内最大級の太陽光発電施設「瀬戸内Kirei太陽光発電所」の建設が進んでいるのだ。
錦海塩田は1970年代にその役目を終えたが、老朽化した堤防や排水施設が放置され、周辺被害が懸念されていた。その“負の遺産”をメガソーラーを核とし、市民の誇りに転換する取り組みが実りつつあるのだ。
80万枚を越える太陽光パネルの敷設。二つの方式による架台の建設。懸案だった湾の排水ポンプは改修され、非常用発電設備も完成した。設置場所は海抜ゼロメートル地帯で、面積は東京ディズニーランド10個分(500ヘクタール)の広さの中の265ヘクタールとなるという。
前所有者の倒産により引き取った経緯から「当初は海に戻すことも検討していた」と、瀬戸内市の武久顕也市長は本音を明かしている。太陽光発電所の設置プランそのものは早くから存在したものの、“日本のエーゲ海”とも呼ばれる景勝地であることから建物をなくす選択肢もあった。だが、敷地の5分の1程度を産業廃棄物処分場跡が占めており、東日本大震災以来、堤防の補強を望む声も高まっていた。
そこで安全と環境保全を両立しつつ工事費用を調達する手段に、固定価格買取制度(FIT)を利用したメガソーラー発電所の事業化プランを公募。最終的に、くにうみアセットマネジメント、東洋エンジニアリング、GEエナジー・フィナンシャルサービス、中電工が設立した特別目的会社に事業は委ねられ、19年の商業運転開始を目標に工事は着々と進んでいる。
20万キロワットを越える出力、7万世帯に電気の供給が可能な施設の総事業費は1000億円を越える(瀬戸内市の人口は3万8000人)。瀬戸内市は堤防や排水ポンプなどの寄付を受けるほか、25年間の土地貸付料として約100億円を得て、その約6割を塩田跡地の維持管理に、残りを街づくりやインフラ整備にあてる予定だという。
以上は、いいこと尽くしのように思われる、瀬戸内市の現状報告である。
実際、悪くはない。東日本大震災以降、日本じゅうが「脱原発」にシフトしながら、まだまだ再生可能エネルギーによる発電の成果を挙げられていないからだ。
国内の他のメガソーラー建設地では、景観が変わることや、太陽光の反射による気温の上昇等が取り沙汰されていたりする。
だが、「軟弱地盤で処分場跡まである中で、これしかなかった」と正直に言い、リスクや、パイオニアゆえの損失もあることはあるが、この20年に及ぶ長期プロジェクトをプラスの方向に持ってゆけていることは評価できる。市民たちの住居からの距離は確保されているはずなので、住居が灼熱地獄になって困る市民はでてこないはずである。
また、地元の環境保護団体や野鳥の会などと連携し、環境調査や観測を継続している。
5月に再選を果たし、2期目の「非常に大きな政治的課題」と位置付ける武久市長の「太陽のまち」構想は、悪くない。
私は、やはり東日本大震災直後に当選し、世田谷区でいち早く「脱原発」宣言をした保坂展人区長を応援してきた立場としても、この二人にどこか共通項があると思うし、若きナイスガイである武久市長も応援したいと思っている。

『天使も嘘をつく』では、架空の「セノウチ市」でメガソーラーに反対する住民運動を撮影するはずのドキュメンタリー映画が、むしろその計画に納得することになり、ドキュメンタリー映画としては頓挫するが、「セノウチ市」に映像を買い取ってもらうという展開がある。
竹下景子演ずるクリモトヒロコ監督は、メガソーラーが建設されることになった海沿いの町の状況を描くというこのドキュメンタリーの制作中、もしもメガソーラーが完成したら、かねてから念願の劇映画の制作に着手し、ヒロインがその上を飛ぶシーンを撮影することを、思いつく。しかし、ある事情でそれが果たされない。
見渡す限り一面の大地が銀色に輝く……、そこは天使が飛び立つための滑走路であり、そのSF映画のヒロインを、世界を救うために再浮上させる装置だった。
そうした過去を背景にしつつ、「セノウチ市」のメガソーラー計画のことを撮影したドキュメンタリー映画を、日本最南西の島でメガソーラー計画に疑義を呈する母親たちの会が、南西の島で上映するというところから、この劇は始まる。
その南西の島の議会の様子もでてくる。それはもうたいへんひどいもので、どうひどいかというのは、劇を観ていただくしかないのだが、そのモデルになっている南西の島に行く前に傍聴し取材した瀬戸内市の議会は、ちょっと見ただけだが、もう全く別物の健全さと真剣さを持っていた。
瀬戸内市は現在私の親が住んでいる私の実家の場所と言うことになるが、そこがそういう場所でよかったと心から思う。
明日上演する岡山公演には、なんとかお隣の瀬戸内市から、武久市長にも観に来て頂きたいものだと思っている。

この写真、撮影は、林海象監督。さいきん原田芳雄さんのご親戚の結婚披露パーティーがこの牛窓山頂の広場で行われ、林監督がその祝宴に参加したその時に裏側のもとパラグライダー台から見下ろせる塩田跡地に建設中のメガソーラーを撮影してもらったのだ。
じつに雄大な風景なのだ。

岡山の皆さん、ぜひ、『天使も嘘をつく』に、いらしてください。
地元のことを褒める劇を上演できることは、とても幸せです。(まあ、劇の舞台はその南西の島の方なので、そちらの島はその後、悲惨な運命が待ち受けているのですけれども)

http://rinkogun.com/tenshi_Okayama.html

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燐光群新作

『天使も嘘をつく』

岡山公演


世界を変えられる映像を撮れるなら、魂だって売る。
『天皇と接吻』に続いて「映画」と「民主主義」を問う、竹下景子×燐光群の最新作!

戦争や破滅の先にしか、「新しい時代」は見つけられないのか。
「未来」に向かう途中経過ではない、「いま」を生きる。

『チェックポイント黒点島』、そして『3分間の女の一生』から6年、クリモトヒロコ=竹下景子の、新たなる冒険。

竹下景子 馬渕英里何 円城寺あや 中山マリ
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
樋尾麻衣子 杉山英之 武山尚史 東谷英人 荻野貴継 
百花亜希 田中結佳 宗像祥子 秋定史枝 大浦恵実 塩尻成花

作・演出○坂手洋二
照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○橋本慶之
美術○じょん万次郎
演出助手○大河内直子
衣裳○小林巨和
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
宣伝写真○姫田蘭
宣伝意匠○高崎勝也
協力○アイ・バーグマン ホリプロ 浅井企画 DULL-COLORED POP (有)スタッフ・テン
制作○古元道広 近藤順子 
Company Staff○桐畑理佳 山村秀勝 脇園ひろ美 鈴木菜子 番匠郁 松岡洋子 根兵さやか
   福田陽子 鈴木陽介 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ

http://rinkogun.com/tenshi_Okayama.html

11月29日(火) 午後7時開演

会場 岡山市立市民文化ホール
 路面東山行「小橋」下車徒歩1分 ※公共交通機関をご利用ください。岡山市中区小橋町1-1-30 086-273-0395

受付開始○開演の60分前 客席開場○開演の30分前

全席自由
一般前売 3,600円  ペア前売 6,600円  当日4,000円 
U-25(25歳以下)2,500円  高校生以下1,000円 ※U-25/高校生以下は要証明書提示。おかやま燐光群を観る会と燐光群でのみ取り扱い 

前売取扱所
◆ぎんざや 086-222-3244
◆岡山シンフォニーホールチケットセンター 086-234-2010
◆シネマコレクターズショップ映画の冒険 086-252-7606

◆ご予約・お問合せ
■おかやま燐光群を観る会(映画の冒険内) 086-252-7606 yoshitomi@mx3.tiki.ne.jp

■燐光群 03-3426-6294 ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
■①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
■②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
■※キャンセルはできません。 

受付開始時より整理券を発行します。 客席開場前にロビーで整理券の番号順にお並び頂き、開演30分前より順にご入場頂きます。
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。


第54回岡山市芸術祭 参加事業
平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
助成 福武教育文化振興財団
主催○燐光群
共催○おかやま燐光群を観る会 岡山市 岡山市芸術祭実行委員会 
   公益財団法人岡山市スポーツ・文化振興財団
後援○岡山県 岡山県教育委員会 岡山市教育委員会 RSK山陽放送 OHK岡山放送
   TSCテレビせとうち RNC西日本放送 KSB瀬戸内海放送 FM岡山 レディオモモ 
   山陽新聞社 朝日新聞岡山総局 読売新聞岡山支局 毎日新聞岡山支局 
   公益社団法人岡山県文化連盟 

【その後の国内ツアー】
[名古屋]12月1日(木)・2日(金)熱田文化小劇場
[津]12月4日(日)・5日(月)津市芸濃総合文化センター 
[伊丹]12月8日(木)〜 11日(日)AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)

コメント
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