昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

タイ・グリーンカレー

2012-03-22 06:44:00 | グルメ

ご案内の通り、木曜日はうちは夫婦そろって忙しいので、簡便なレトルトカレーを作って食うことにしている。かーたんは普通のカレーだが、オカブは趣向を変えてタイ・カレーを食うことにしている。しかし趣向の変わったものは、当然お値段が張るのが通常で、普通のスーパーでタイ・カレーのレトルトパックを買うと300円近くする。これは我が家の破綻を予感させる価格である。しかし、安心召されい。西友でS&Bのタイカレー1パック128円といううのが毎日の定価で出ている。そこで三軒茶屋に出た時にはこの西友S&Bタイ・カレーを大量に仕入れておいてストックしておく。さて、ご存じ、レトルトカレーの作り方はいたって簡便である。鍋にお湯を沸かしてレトルトパックごと入れればいいのである。適当に温まったら、お湯から出して、ご飯にかけて出来上がり。味はというと、やはり128円の味である。しかし300円のものと172円の差があるとは思えない。したがって、非常にリーズナブルといえる。しかし、オカブ流タイカレーはこれにトッピングとして大量のコリアンダーの細切れをかける。これは30年前、ヨーロッパ放浪旅行の折、ストラスブールで居候になっていた、カンボジア人の家庭で伝授されたものであることはすでに何回も書いた。重複を恐れずに繰り返せば、オカブはこの家で、ソーメンに鶏の丸焼きを乗せたもの、インスタントラーメンに鶏の丸焼きを乗せたものなど、主に鶏を主材料とした大変なご馳走に預かった。これらの料理にカンボジア特有の調味料、そして東洋系の香菜コリアンダーが大量に使われていたのである。この家の主のBin Yok Rong は、よく私を車に乗せて、町の中心部まで行き、行きつけのアジア食材店(エスニック食材店)で彼らにとってはなじみの、したがってごく普通の日本人であるオカブにはわけのわからない食材を仕入れていた。彼としては、極東からのお客に珍しい食材の買い物を見せたかったのであろう。そして先にも述べたとおり、この煮込み料理に大量の生のコリアンダーの細切れを刻んでかけて食べる。かれらにとっては当たり前のスパイスだったのだろう。しかし30年前の日本人にはそんなものを食べた経験もないので、最初は強烈な臭いが鼻についてどうにも我慢が出来なかった。しかし、少し慣れてくると俄然病み付きになった。日本に帰国してそれらしいスパイスを、高級スーパーで探しまくった。しかし見つからない。しかし25年の歳月をかけてやっと、このコリアンダー(香菜)がどこのスーパーでも当たり前に手に入るようになったのは、5年位前からである。オカブはこの野菜を一束、遠慮なくみじん切りにしてカレーにかける。そしてこのカレーを味わっていると、30年前の青春の思い出と、異郷の地の香りが漂ってくるのである。

春盛りみちるは南の香りかな     素閑

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