また浅草に行ってきた。かーたんがお母さん(”おかん”と言っている)が亡くなったショックから立ち直っていない。
そこで母が生前大好きだった浅草に行って、母の面影を偲び、一区切りつけようという思いででかけた。
家からバスで渋谷へ。そこから銀座線で一本で浅草へ。
雷門通りに出て、かーたんが母と昔食事をしたという『神谷バー』へ。
週末で客が多くしばらく待たされたのち店内へ。ここでかーたんは母と食べた記憶のあるハンバーグと海老フライの盛り合わせの定食を。オカブはこの店の名物のカクテル名物『電気ブラン』とビール生大。ソーセージとサラミの盛り合わせ。『電気ブラン』は養命酒から漢方薬臭さを取ったような味がした。強い酒だ。
かーたんは電気ブランをちょっと味見して顔をしかめていた。
神谷バーは創業明治13年で日本で最も古いバーだ。 昭和初期には浅草の文豪や、地方の連隊から出てきた士官学校の生徒から愛されたという。
神谷バーを出て、雷門、仲見世、観音本堂のあたりをぶらぶらし、陶芸店で安い蕎麦猪口などを買い、伝法院通りの店を冷やかし、裏仲見世の浅草の有名な文学喫茶『アンヂェラス』に入る。ここでウィンナ・コーヒーとチーズケーキ。数々の文豪がたむろした名物喫茶もすっかり観光地化してしまった。しかし一人で珈琲をすすりながら書物を紐解いたり原稿を書いたりしている客もいるから、その初期の姿は健在だ。
『アンヂェラス』を出て、また、仲見世のあたりをぶらぶらし、伝法院通りにまた出てきて、スカイツリーを見て、ここまで来たのなら行ってみようと、塔の姿を追ってどんどん歩く。隅田川を吾妻橋で渡る。桜の季節には見違えるように華やぐ墨堤もいまはすっかり冬ざれの中だ。浅草から20分ほどでスカイツリーに着く。
夕日を背にした富士山。ビルに半分隠れている。
しかし、スカイツリー近辺は複雑怪奇な様相を呈している。スカイツリーに昇るエレベーターの建物のほかショッピングモールやレストラン街が入った建物が取り巻いている。塔を一通り眺めてビルの中を一巡する。
さて、スカイツリーも真下で観たし、家へ帰るか、と半蔵門線押上駅のほうに歩いていくうちに、どうせ一本で帰れるんだから飯を食っていっちゃえ、ということになり、またスカイツリービルの7階に戻る。
いろいろ店を物色して、結局、物珍しさに惹かれ『世界のビール博物館』という店に入る。もちろんビールが目当てだ。
『世界のビール博物館・World Beer Museum』
オカブの一杯目はチェコのデュンケル、かーたんはベルジアンのチェリー・ビールを。つまみはフィッシュ・アンド・チップスにチーズ・ジャーマン・ポテト。飲みかつ喰い、オカブの二杯目はチェコのピルスナー、ハーフリッター。
二時間ほど気炎を上げ、腹一杯になって店を出る。帰りは押上駅から田園都市線で三軒茶屋まで一本、三茶から徒歩でご帰館。
よく遊んだ一日だった。ついでに財布に中身もかなり散財した。明日から節約生活だ。かーたんもお母さんへの想いに一区切りついたようだ。仕事も正月気分が明けて本格的にスタートだ。締まっていこう。
ツリー来て暮れる冬陽蕭蕭と 素閑
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