「オカブ」というHNでブログを書いている。
オカブの姓はある世界的メーカーと同じなのだが、その製品のスーパーカブが好きなのである。
そこでカブを拝借してオカブと名乗った。
自分では決して買い求めたいとは思わないが、今や銀行員が乗り、新聞配達が乗り、植木屋が乗り、あらゆる階層が利用する社会的インフラと言ってもよかろう。
その前身の「バタバタ」は戦後の、まだ碌に部品の無い頃に作られ、燃料タンクには湯たんぽを使ったという。
これこそ例えは悪いがまさに「竹槍精神」ではないか!?
とにかく物がなかった。
食うものもなかった。
何とかしなくては、の切迫感に毎日追われていた。
けれど夢は無限にあった。
祖母からそんな話を聞かされた。
日本人も日本の社会もどん底から這い上がるバイタリティとエネルギーを持っていた時代である。
オカブはそんな時代とその象徴のスーパーカブが好きだ。
手袋でがま口十円出しにけり 素閑
片方の手袋探し大慌て 素閑
手袋や辻の土建の警備員 素閑
手袋で蔓草抜いて土まみれ 素閑
初めての子のため求む手袋や 素閑
夕よりの雨に濡れたる手袋や 素閑
子を預け手袋礼に持ちにけり 素閑
手袋をはめたまま呑むコップ酒 素閑
宮参り手袋で打つ三拍か 素閑
手袋や重き扉を押しにけり 素閑
手袋を脱ひだ老母の皺の指 素閑
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