モミジガサ(紅葉笠)
特徴
モミジガサの学名は Parasenecio delphiniifolia です。
この植物はキク科(Asteraceae)に属し、日本の山地などに自生する多年草です。葉の形がモミジに似ていることから「モミジガサ(紅葉笠)」という名前がついています。
深山の湿った木陰に自生し、春から初夏にかけて、まだ葉が完全に開いていない若芽を食用とします。シャキシャキとした食感と、ほのかな苦みが特徴です。地域によっては「シドケ」や「シドギ」などとも呼ばれています。

効能
モミジガサには、以下のような効能があると言われています。
- 食物繊維豊富: 便秘解消や整腸作用が期待できます。
- カリウム: 体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧予防に役立つとされています。
- 抗酸化作用: ポリフェノールなどの成分が含まれており、老化の原因となる活性酸素の働きを抑える効果が期待されます。
- 独特の苦味成分: 健胃作用や食欲増進効果があると言われています。
ただし、これらの効能は一般的に言われているものであり、科学的に証明されているわけではありません。また、食べ過ぎには注意が必要です。
下処理
モミジガサを美味しくいただくためには、丁寧な下処理が欠かせません。
- 選別: 傷や虫食いのない、新鮮な若芽を選びます。
- 洗浄: 土や汚れを流水で丁寧に洗い流します。葉の裏側や茎の付け根なども忘れずに洗いましょう。
- アク抜き: モミジガサの苦味成分を和らげるために、アク抜きを行います。
- 茹でる: 沸騰したお湯に塩を少量加え(水1リットルに対して塩小さじ1程度)、モミジガサを2~3分ほど茹でます。茹ですぎると食感が損なわれるので注意してください。
- 水にさらす: 茹でたモミジガサを冷水に取り、1~2時間ほどさらします。途中で何度か水を替え、苦味の抜け具合を確認してください。
- 重曹を使う場合: 茹でる際に、重曹を少量(水1リットルに対して小さじ1/4程度)加えると、より効果的にアクを抜くことができます。ただし、重曹を使いすぎると風味が損なわれることがあるので注意が必要です。
- 水気を切る: 水にさらしたモミジガサをザルにあげ、しっかりと水気を切ります。
レシピ
アク抜きを終えたモミジガサは、様々な料理に活用できます。
1. モミジガサのおひたし

モミジガサの風味と食感をシンプルに味わえる一品です。
材料:
- 下処理済みのモミジガサ:適量
- 醤油:大さじ1~2
- みりん:大さじ1
- かつお節:適量
作り方:
- ボウルに醤油とみりんを混ぜ合わせます。
- 水気を切ったモミジガサを1の調味液に浸し、冷蔵庫でしばらく冷やします。
- 器に盛り付け、かつお節をかけたら完成です。
2. モミジガサの天ぷら
サクサクとした食感とほのかな苦みが絶妙な組み合わせです。

材料:
- 下処理済みのモミジガサ:適量
- 天ぷら粉:適量
- 冷水:適量
- 揚げ油:適量
- 塩、天つゆ:お好みで
作り方:
- 天ぷら粉と冷水を混ぜ合わせ、衣を作ります。混ぜすぎるとサクサク感が失われるので、軽く混ぜる程度にしましょう。
- 水気を切ったモミジガサに衣をつけます。
- 170~180℃に熱した揚げ油で、衣がカリッとするまで揚げます。
- 油を切って器に盛り付け、塩や天つゆを添えていただきます。
3. モミジガサの和え物
シャキシャキとした食感が楽しめます。
材料:
- 下処理済みのモミジガサ:適量
- 味噌:大さじ1
- みりん:大さじ1/2
- 砂糖:小さじ1/2
- 白ごま:大さじ1
作り方:
- ボウルに味噌、みりん、砂糖、白ごまを混ぜ合わせ、和え衣を作ります。
- 水気を切ったモミジガサを1の和え衣で和えます。
- お好みで、刻んだネギや七味唐辛子を加えても美味しいです。
4. モミジガサと油揚げの煮物
モミジガサの苦味と油揚げの旨味が хорошо 相性抜群です。
材料:
- 下処理済みのモミジガサ:適量
- 油揚げ:1枚
- だし汁:200ml
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
作り方:
- 油揚げは油抜きをし、短冊切りにします。
- 鍋にだし汁、醤油、みりん、砂糖を入れ、火にかけます。
- 沸騰したら、モミジガサと油揚げを加え、落とし蓋をして弱火で10分ほど煮ます。
- 火を止め、粗熱を取ってからいただきます。
注意点
- モミジガサとよく似た有毒植物もあるため、採取する際は十分に注意が必要です。自信がない場合は、詳しい人に確認してもらうようにしましょう。
- 体質によっては、まれに合わない場合があります。初めて食べる際は少量から試すようにしてください。
- 妊娠中や授乳中の方、持病のある方は、念のため医師に相談してから摂取してください。