クロスステッチをする方は元々器用な方が多いせいか
キルトをされるという方も多いみたいです。
ちょっとした時に、キルトの小物入れなど、お手製のものを見せていただくと
かわいらしいので思わず笑顔になって口元が緩んでしまいますが、
その針目の細やかさ、かかるであろうたくさんの手間を考えると
おいそれと「やってみたい。」とはいえません。
だいたいが細かく布を切って、またそれを縫い合わせる。
正確さが求められるのは一目瞭然。
絶対に私だったら寸法が合わなくて泣くに決まってます。
素敵だけど見せてもらうだけのものと決めています。
でも白いキルトのデザインって素敵です。
白い刺繍をするときの参考になるかもと思い、図書館で本を借りたり
古本を買ったりするうちあまりに素敵で目が離せなくなってきました。
ところで「ホワイトキルト」と「ブティ」ってどこが違うの?
「トラプント」って親戚?とずっと疑問だったのですが、
キルトジャパン2005/7月号に「パターンにまつわる話」(文・小野ふみえさん)
として分かりやすく載っていました。
忘れてしまいそうなので、かいつまんで書いておきます。
・キルトの発祥は11世紀十字軍と戦ったサラセンの騎士が甲冑の下にキルティングのシャツを着ていたといわれる。
・「シシリアンキルト」14世紀(1395年)イタリアシシリー島で作られた現存する最古のキルト。白い麻布を2枚重ねてステッチし、文字や絵柄の部分に麻やコードをつめたもの。トリスタン物語のシーンを本返しで二本縫い、麻ひもで通したコーティングと、麻をつめたトラプントでデザインを浮き上がらせた貴族の結婚祝いの作品。
・17-18世紀、フランスで73年、英国で54年、インドの綿プリントの輸入が禁止。
元々あるウールや麻が売れなくなるための策。マルセーユ港の繊維業者が嘆願し、インドの白い木綿だけを輸入可能に。この布にミシン目より細かく本返し縫いをして、白、トルコ赤、インディゴブルーのひもを通して模様を浮かび上がらせる。これが「マルセーユキルト」。プロヴァンス、マルセーユ地方からヨーロッパの上流階級に広まる。
・時代が下がって、プロヴァンスの農家の主婦がランニングステッチで輪郭を縫い、
綿をつめて盛り上げて作ったキルトが「ブロードリー・アンブティ」=略してブティ。
・イタリア語ではブティ=トラプント。
・裏地の縦糸を押し広げ、綿や紐をつめる=英語のスタッフ。アメリカではこの手法のキルトは「スタッフド・キルト」と呼ぶ。
・英国からアメリカに渡った白いキルトは裕福な家庭の若い女性が作った。
後に南北戦争で北軍の将軍がやってきたとき、南部のお屋敷では銀器をキルトで土に埋めて避難。後に掘り出したキルトの美しさを子孫が土で汚れていても美しいキルトと感動を呼んだ。
日本では「ブティ」は2枚の布を縫い合わせ、綿や紐をつめたものを言い、
「トラプント」は2枚の布の間にキルト綿が入って3枚あわせ、そこに詰め物やコードを通したものをさす。
以上、記事より抜粋。
ところで「ホワイトキルト」という言葉に関してがよく分かりません。
「ホワイトキルトのキット」とかを見ると、2枚の布の間にキルト綿をはさんでキルティングがしてあるもので、その後綿をつめたりコードは入れてないものが主流みたいです。
でももしかしたら、全部の総称を「ホワイトキルト」って言ってるのかも。
その辺がいまひとつ私の中では不明ですっきりしてません。