しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「降霊会の夜」   浅田次郎  

2015年08月28日 | 読書
「降霊会の夜」   浅田次郎    朝日文庫 
    
しばしば同じ夢を見る。
たそがれ時に見知らぬ女に導かれて、ひたすら歩んでいる。
幼い頃の見慣れた風景や、ヨーロッパの古い街並みの中を。
自分の罪を問われているようだが、この齢まで生きて悔悟のないはずはない。
浅間山が見える企業の保養所だった別荘を買い取って、独り暮らしている初老の私。
ある雷がなった夜、庭先で怯えて蹲る人影を見つけて、助ける。
その女は、夢の出て来る女に似ていた。
梓と名乗った女は、浮世離れしたことを話し、お礼にミセス・ジョーンズに紹介すると言う。
彼女は、生きていても、亡くなっていてもかまわないから、会いたい人に会わせてくれると言う。
その「降霊会」で、私は子どもの頃と大学時代の友人に出会い、思わぬ事に気付かされる。









降霊会を通して見る、私・ゆうちゃんの人生。
降霊会では、2つのエピソードが登場する。
しかし、きっともっと色々な事があっただろうと思う。
時代が、小学校の時はオリンピック前で、大学生の時が学園紛争の真っ最中。
人生でもドラマが起こりやすい時代と言う気がする。
しかし、死んでしまった人と話をするのはどんな感じだろう。
これは、私の為ではなく、悔いを残して死んでしまった人たちの救済の為のもの。
辛い思い出と向かい合って、あの時もっとああすれば良かったと後悔を求めるのか。
その時に後悔しなかった物を、何十年も経ってこれが真実だから、後悔しましょうと突きつけられる様な。
後悔したり、自分の事を考えるのなら、人生の終り頃ではなく、その時の方がいい。
年老いた時に知らなければならないならば、知らないままでいいのでは思ってしまうのは身勝手だろうか。
人生で通って来た道は、その時その時で完結してしまえたら1番良いように思う。

交番のおまわりさんの言葉はとても印象的。

そして、ラストの捻りは何の為だろう。
私が夢で、呼び寄せてしまった悪夢なのか。


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