しましましっぽ

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「手/ヴァランダーの世界」 ヘニング・マンケル 

2022年06月23日 | 読書
「手/ヴァランダーの世界」 ヘニング・マンケル  創元推理文庫 
 HANDEN        柳沢由実子・訳

田舎暮らしを願っていたヴァランダーに、同僚のマーティンソンが物件を紹介した。
購入を考えたヴァランダーだったが、なんと家の裏庭で地面から人間の手の骨が突き出しているのを見つけてしまう。
地面の下には骸骨と衣服の残りが埋まっていた。
ヴァランダーは過去に遡って家の持ち主を調べ始める……。

著者が書店キャンペーン特典用に書き下ろした、『霜の降る前に』と『苦悩する男』の間に位置する中編「手」と、マンケル本人によるシリーズの各作品、人物、地名の紹介を網羅した「ヴァランダーの世界」を併録。シリーズファンなら絶対見逃せない一冊。
    <文庫本1頁目より>


これで本当に最後のクルト・ヴァランダーの物語。
今まで、スウェーデンの社会問題や、取り巻く環境の変化などが織り込まれて来た。
この物語も過去に起こった事件を探る事になる。
それは移民や他国からの労働者を受け入れて来たスウェーデンの歴史でもある。
埋まっていた人物は殺されたと見られた。
まず身元を探そうとするが、難航する。
この世から消えて、どこかに寂しがっている人が居るはずだと思うのだが。
ヴァランダー自身は、自分が歩んできた道を見つめて先を考える。
しかし、落ち込み気味なヴァランダーだが事件と係わっていると、そんな事はお構いなしに大変な事が起こる。
実際、かなり危機的状況に陥って、ハラハラさせられる。
中編だが、印象深く読み応えがあった。

そして、自分のこれからや、今までの事をあれこれ悩むヴァランダー。
『苦悩する男』もそうだったと思ったら、「ヴァランダーの世界」を読んでいて思い出す。
ヴァランダーはずっとこんな感じだったと。
1冊目からの紹介を読み、ずっと真摯な物語だったと思い返す。

訳者あとがきを読んで知った。
ヘニング・マンケルは45作の作品の残したと。
12作がヴァランダー・シリーズで、柳沢由美子さんが訳したのは16作。
『北京から来た男』や『タンゴ・ステップ』も面白かった。
これから、まだヘニング・マンケルの物語が読めるのを期待したい。

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