しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「バイバイ、ブラックバード」 伊坂幸太郎 

2011年05月13日 | 読書
「バイバイ、ブラックバード」 伊坂幸太郎     双葉社

星野一彦は、お金がないことで〈あのバス〉で連れて行かれることになる。
〈あのバス〉が来るまでの2週間、逃げないように見張っているのが繭美の仕事だ。
繭美は身体も大きければ、態度も大きく肝が据わり、別の生き物にしか見えなかった。
星野は、〈あのバス〉に乗る前に、付き合っていた女性に別れが言いたいと希望して許可が出る。
その女性は5人いて、星野は繭美と2人で順番に訪ねて行く。
別れる理由は、繭美と結婚するからと話す。
繭美は星野やその5人の女性の情報は全て知っていて、本音をずばり突いてくる。





太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語!
と言う事で、先に「グッド・バイ」を読んだ。
だから、こういう物語なのだと言う事は分かった。
しかし、面白くはなかった。
会話の中に、物事を考える上で、なるほどと思える所もあるのだが。
そんな言葉のやり取りを楽しむ前に、なんだか苛立ちの感情が。
登場人物に、誰一人感情移入が出来ない。
「グッド・バイ」は面白く、最後まで読めないのが残念に思ったが。
こちらは最後まで読むのが辛かった。
それでも、「バスに乗る」という事がどういう意味なのか、もっと分かるかという興味があったから。
それもよく分からず、肩透かし。
そもそも、お金が無くて、バスに乗るということだが。
2週間もバスを待って見張っていたら、その組織だってお金が掛かるだろうに。
面白いことが好きだからと言って、隠しカメラとかでどこから見ているのだろうか。
そんな点が曖昧で、不自然過ぎ。
その説明がないのは、なんだかずるい。
繭美が最後になるほど人間らしくなって行くが、それも都合がよすぎる感じ。

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