「覘き小平次」 京極夏彦 中央公論新社
手前は陽炎の如く消えたくとも消えられず、無様に齢を重ねる廃者。薄膜一枚の紙風船。
中はがらんどうで御座います―死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。
襖戸の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける小平次とその妻・お塚。
かれらを軸に語られるのは、生者たちの忿恚、悲歎、嗜慾、愛憎…
当代随一の戯作者の手によって、山東京伝の名作怪談がいま、甦る。
<カバー見返し側より>
怪談に「小平次もの」があるそうだが、知らなかった。
山東京伝「復讐奇談安積沼」。
「四谷怪談」は誰もが知っているが、それをアレンジしたのが「嗤う伊右衛門」。
「復讐奇談安積沼」をアレンジしたのが「覘き小平次」。
何とも言えず不気味な物語。
小平次の存在が浮世離れしているが、小平次に係わっている人も不気味。
それぞれが修羅場を見た、悲惨な生き方をして来ている。
だからそういう風になってしまうのか。
読み進むのがあまり楽しくない物語だった。
登場人物の、誰の気持ちを考えても遣り切れなく落ち着かなくなる。
どんな風に展開されて行くんだろうと思ったら、仕掛けられた物語があった。
でも、それがちょっと霞むくらい登場人物が個性的で、人間を見ているだけで疲れる感じ。
小平次は姿を見ただけで怖ろしくなる、幽霊役者というか、そのまま幽霊のような。
薄っぺらな、中味は何もない存在になると言いながら、周りに居る欲望を強く持っている人間よりも強烈な印象。
自分の信念でそうしているのは、結局は同じ自己主張ということか。
自分で何もしないつもりでも、周りに影響を与えて、周りは勝手に騒ぎ立てる存在。
結局幽霊もそうなのかも知れない。
影響されるかどうかは、その人次第ということもある。
手前は陽炎の如く消えたくとも消えられず、無様に齢を重ねる廃者。薄膜一枚の紙風船。
中はがらんどうで御座います―死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。
襖戸の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける小平次とその妻・お塚。
かれらを軸に語られるのは、生者たちの忿恚、悲歎、嗜慾、愛憎…
当代随一の戯作者の手によって、山東京伝の名作怪談がいま、甦る。
<カバー見返し側より>
怪談に「小平次もの」があるそうだが、知らなかった。
山東京伝「復讐奇談安積沼」。
「四谷怪談」は誰もが知っているが、それをアレンジしたのが「嗤う伊右衛門」。
「復讐奇談安積沼」をアレンジしたのが「覘き小平次」。
何とも言えず不気味な物語。
小平次の存在が浮世離れしているが、小平次に係わっている人も不気味。
それぞれが修羅場を見た、悲惨な生き方をして来ている。
だからそういう風になってしまうのか。
読み進むのがあまり楽しくない物語だった。
登場人物の、誰の気持ちを考えても遣り切れなく落ち着かなくなる。
どんな風に展開されて行くんだろうと思ったら、仕掛けられた物語があった。
でも、それがちょっと霞むくらい登場人物が個性的で、人間を見ているだけで疲れる感じ。
小平次は姿を見ただけで怖ろしくなる、幽霊役者というか、そのまま幽霊のような。
薄っぺらな、中味は何もない存在になると言いながら、周りに居る欲望を強く持っている人間よりも強烈な印象。
自分の信念でそうしているのは、結局は同じ自己主張ということか。
自分で何もしないつもりでも、周りに影響を与えて、周りは勝手に騒ぎ立てる存在。
結局幽霊もそうなのかも知れない。
影響されるかどうかは、その人次第ということもある。
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