しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「サボテンの花」 キャラメルボックス

2007年04月02日 | 観劇
2007.3.14(水)~4.1(日)  シアターアプル
原作 宮部みゆき「サボテンの花」  脚本 成井豊  演出 成井豊+白井直

〈ストーリー〉
1月。3学期が始まったばかりのある小学校。
教頭をつとめる権藤に、驚きべきニュースが飛びこんできた。
ワンパクで有名な6年1組子どもたちが、卒業研究のテーマを「サボテンの超能力」に決めたというのだ。
サボテンには人間の心がわかる、それを僕らの力で証明してみせると。
教師一同は大反対。しかし、権藤は子どもたちの強い意志に打たれ、教師たちを説得する。担任教師は自分の手には負えないと、登校拒否を起こす。
担任に変わり、6年1組を受け持つことになった権藤だが、3月末には定年を迎え、教壇を去る権藤にとって担任は体力的にはきつかった。
そして、6年1組の子どもたちは、リーダーの子の家に集まりサボテンの研究をしていたが、小火騒ぎを起こしたりする。
そして、卒業研究発表の時、新たな問題が沸き起こる。


「音楽劇2007」とタイトルについた「サボテンの花」は、
「“チューリップ”の歌をうたうのですか」という質問があったそうだ。
そして、音楽劇だが、劇中にいつもより歌が多く入っている程度で、ミュージカルのようにずっと歌うわけではない。

〈感想〉

宮部さんの原作は短編なので、エピソードがプラスされているが、それは過去に権藤の教育実習を受けた姉の妹という人物や、主人公の少年の家庭の話し。
実習を受けていた姉は実習期間中に交通事故に合い、教師にはなれなかった。
その妹が主役の一人になっていた。
でも、不思議なのが、始めは生徒を助けようとして事故に合い即死だった、と話していたのに、最後は妹だはなく、本人ということになった。
ということは幽霊だったということでいいのかな?

全体としては、子どもたちがなにをしているかというミステリアスな部分より、教師とは何か、というテーマが強く伝わって来た。
そして、権藤のように理想かも知れないが、子どもの力を信じる教師がもっといて欲しいと思う。
人と人の繋がりは素敵なこと。子どもと大人だって、素敵に繋がって欲しいと思う。
大変は仕事ではあるけれど、やり甲斐のある仕事、誇りを持ってやっていって欲しい仕事だ。

まあ、この中の担任の先生先みたいな人はあまりいないと思うけれど。
菅野良一さんはこんなへたれ役が良く似合う。
「蝗害」は、菅野さんならではの出題、だと思っていたら、後で読み返したら、そのままだった。菅野さんのような、昆虫好きな先生だったのだ。

先生と生徒の繋がりの他に、主人公の少年と父親の繋がりがあるが、
少年がとても父親を慕っていたという設定なのだが、始めにある父親の乱暴な口調を聞いていると、とても相手を気遣っていたようには見えず、すごく唐突な感じがした。
唐突過ぎて、説得力に欠ける感じがした。
かなり怖く物分りの悪そうな父親だったから。いくら自分の悩みでいっぱいだったとはいえ、少しは愛情も見せて欲しかった。

キャラメルの役者さんはみんな歌がうまい。しかし、ゲストのコング桑田さんはゴスペル歌手ということで、特別うまい。違いはやはり、発声のようだ。

小学生役のひとたちが大人になって出てくるが、あまり違いはわからない。
その様に作っているのだろうけれど、STudio Life だと、子どもの役は本当に子どもに見える。
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