「ザ・ストレイン」 ギレルモ・デル・トロ&チャック・ホーガン 早川書房
THE STRAIN 大森望・訳
2010年9月、ニューヨーク・JFK国際空港で旅客機が着陸直後に外部との無線連絡を絶ち、照明を消し、すべての電気系統を落として誘導路上で沈黙した。
人質事件の懸念から突入したレスキュー隊が発見したのは、二百名近くの乗客が席に着いたまま静かに息絶えている姿だった…。
バイオテロの可能性から、当局はCDC(疾病対策センター)の特別班を召集する。
チームを率いる疫学者イーフリアムは最愛の息子と過ごす貴重な週末をきりあげて空港に急行し、機内のバイオハザード調査に入るのだった。
事件の原因究明にあたるイーフはやがて、この悪疫がいくつもの家族と社会秩序を引き裂き、猛烈な勢いで蔓延していくさまを目の当たりにする。
それは同時に、太古の昔から地球に生きる、ある忌まわしい種族の復権を意味していた―
<表紙裏カバーより>
始めは、病原菌が広がってというSFの話かと思った。
飛行機に、土の入った大きな棺桶のような箱が見つかる記述で、これは吸血鬼物だったのかと。
現代に現れた吸血鬼だが、科学が進んだ現代では吸血鬼の取り扱い方も違う。
なぜそうなるのか、どんな身体構造なのか、それは想像を広げる余地があるもの。
ひとつのウィルスが蔓延するように広がって行く様子。
鼠駆除になぞらえる様子。
それが面白かった。
現代の吸血鬼だが、それは昔から続いて来たもの。
昔ながらの吸血鬼と共通するものもがあるのも、受け入れやすい。
かなり、凄まじい人間対ヴァンパイアの戦い。
激しいアクションシーンも展開される。
色々な娯楽的要素がふんだんに入っている感じ。
飛行機の乗客が騒ぐことなく息絶える。
しかし、後の物語を読んでも、なぜそれが可能だったかは分からない。
そして、最後にも何かはっきりしない記述が。
なぜ、そのような者が地球に存在するのか。その謎も。
これは、3部作の始めだそうだ。
続きがあるのであれば、はっきりしないことは次回に持ち越しということか。
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