しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ミュンヘン」 2005米

2007年06月04日 | 映画
1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件。
9月5日未明、武装したパレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的に人質となったイスラエル選手団の11名全員が犠牲となる悲劇が起きた。
これを受けてイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定。実行に移していく。
暗殺チームのリーダーはアヴナー。仲間4人と共に、ヨーロッパ中に点在するターゲットを仕留めていく。



実際にあった事件だが、その後のイスラエル側の報復も事実。
「11人を殺さなければイスラエルが殺される」という思いを伝えられ、妊娠中の妻がいるにも係わらず、リーダーになったアヴナー。
暗殺を、始めは辛かったが、何も思わなくなって来たというアヴナーが、赤ん坊の声を聞き泣く。
同じ人間のなかに様々な感情がある。
しかし、暗殺した人物の後継者がすぐに現れ、虚しさが強くなっていく。それが自然なのだろう。
そこには実際に手を下す実行犯と、命令だけしている人間の温度差を感じる。
政治を変えることや、国を救うことは個人を殺しても変わりはしないだろう。どうしたらいいのだろうか。
虚しさと憤りとやるせなさを感じる作品。

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