しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「狼の震える夜」  ウィリアム・K.クルーガー  

2009年12月17日 | 読書
「狼の震える夜」  ウィリアム・K.クルーガー    講談社文庫
 Boundarhy Waters     野口百合子・訳 

アメリカ、ミネソタ州オーロラ。
元保安官、コーコラン(コーク)・オコナーは、〈オザーク・レコード〉の経営者、ウィリー・レイから娘のシャイローを探して欲しいと頼まれる。
シャイローはカントリー歌手。ドラックの濫用と鬱症状で、誰にも行く先を告げずに姿を消していた。
シャイローが出した手紙はオーロラの消印があり、バウンダリー・ウォーターズにインディアンが案内した事だけは分かっていた。
同じ時、FBIもシャイローを探し出す手伝いを依頼して来る。
母親のマレイ・グラントはシャイローが子どもの時、目の前で殺されていた。
その時のことを何か思い出し、それが原因で命を狙われているかも知れないと言う。
マレイはコークより3つ年上で、子どもの頃同じ家で暮したことがあった。
捜索隊を編成してバウンダリー・ウォーターズに向かった一行を追う影があった。

コーク・オコナーシリーズ第2弾。



このシリーズは、結構最後にドンデン返しを用意している。
今回もそうだった。
誰が悪人か判る前と後では、性格もがらりと違って感じられるから不思議。
どうとらえているかで、イメージは変わるものだ。
今回は、インディアンの伝承物語や考え方も多く紹介され、その面からもとても面白かった。
その中心が少年ルイスと言うのも憎い演出。
誰もが心惹かれてしまう。
そして、何が幸せかも考えさせられる。
やはり便利が1番ではないと思う。

コークとジョーの縒りが戻っていく過程が、きちんと順番だっている。
絶対に元には戻れないだろうと思っていた関係が戻って行くことに、何だかとても納得が行く。
危険は人間の関係を近づけるものだ。

これで、読んだこのシリーズは4冊目だが、これが1番自分の好みかも。
狼はオジブワ語でマイインガン。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 萩尾望都原画展 | トップ | 中島みゆき 夜会VOL.1... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事