「彷徨い人」 天野節子 幻冬舎
片岡葉子が友人4人と日光に一泊旅行に行き、家に戻らなかった。
夫の亮平と姉の淳子が一緒に行った友人、田嶋千里に聞くと、帰りに新宿駅で別れたと言う。
心配していた亮平に、葉子からメールが届く。
“4、5日したら帰るから心配しないで”と言うものだったが、それを見た亮平は不審を感じ警察に届けるという。
亮平、淳子、千里で警察に捜索願を提出しに行く。
警察は、何か事件に巻き込まれた可能性がある特異家出人には当てはまらず、一般家出人として、あまり興味を示さなかった。
そんな3人と警察署の玄関ですれ違った刑事がいた。
清水刑事は、その中の千里に見覚えがあった。
それは、6か月前に起きたひき逃げ事故で死亡した男の妻だった。
6か月の間に、夫がひき逃げされ、親友が行方不明になる偶然に何か引っ掛かりを覚える。
1人の行方知れずから始まる物語。
事件としてはそれほど大事ではない気もするが、とても物語に引き込まれる。
失踪か、何か事件に巻き込まれたのか、そんな家族の不安が伝わる。
登場人物も静かな雰囲気で、淡々と進んで行く感じ。
それは、真相が分かった後も同じ。
事件の背景にあるのは、人間臭いドロドロだったのだが。
それが、とても透明感を感じてしまうのは何故だろう。
自分の感情をしっかりと分析しているようで、落ち着いているからだろうか。
しかし、ならばこんなことで人を殺したりせずに、違う道を選べなかったのだろうか。
その道の方が辛くても。
犠牲にした命もあるのだから。
認知症の話も出て来る。
認知症から来る怒りっぽさや被害妄想で、家族関係が上手く行かなくなると言うのは現実の問題。
特に嫁姑では、取り返しの付かないことにもなる。
もっともっと、病気だという事に理解を深めて、対処していかなければならない。
謎解きの1つに、刑事コロンボの名作『自縛の紐』が出て来た。
刑事さん、見ていたら早く気が付くのに。
不自然だと思ったこと。
それは、葉子の旅行中の態度。
その時の心境を考えると、とても何もなかったようには振る舞えないのではないかと言う事。
何となく、あてつけがましいこと言ったり、嫌味を言ったりしそうだ。
片岡葉子が友人4人と日光に一泊旅行に行き、家に戻らなかった。
夫の亮平と姉の淳子が一緒に行った友人、田嶋千里に聞くと、帰りに新宿駅で別れたと言う。
心配していた亮平に、葉子からメールが届く。
“4、5日したら帰るから心配しないで”と言うものだったが、それを見た亮平は不審を感じ警察に届けるという。
亮平、淳子、千里で警察に捜索願を提出しに行く。
警察は、何か事件に巻き込まれた可能性がある特異家出人には当てはまらず、一般家出人として、あまり興味を示さなかった。
そんな3人と警察署の玄関ですれ違った刑事がいた。
清水刑事は、その中の千里に見覚えがあった。
それは、6か月前に起きたひき逃げ事故で死亡した男の妻だった。
6か月の間に、夫がひき逃げされ、親友が行方不明になる偶然に何か引っ掛かりを覚える。
1人の行方知れずから始まる物語。
事件としてはそれほど大事ではない気もするが、とても物語に引き込まれる。
失踪か、何か事件に巻き込まれたのか、そんな家族の不安が伝わる。
登場人物も静かな雰囲気で、淡々と進んで行く感じ。
それは、真相が分かった後も同じ。
事件の背景にあるのは、人間臭いドロドロだったのだが。
それが、とても透明感を感じてしまうのは何故だろう。
自分の感情をしっかりと分析しているようで、落ち着いているからだろうか。
しかし、ならばこんなことで人を殺したりせずに、違う道を選べなかったのだろうか。
その道の方が辛くても。
犠牲にした命もあるのだから。
認知症の話も出て来る。
認知症から来る怒りっぽさや被害妄想で、家族関係が上手く行かなくなると言うのは現実の問題。
特に嫁姑では、取り返しの付かないことにもなる。
もっともっと、病気だという事に理解を深めて、対処していかなければならない。
謎解きの1つに、刑事コロンボの名作『自縛の紐』が出て来た。
刑事さん、見ていたら早く気が付くのに。
不自然だと思ったこと。
それは、葉子の旅行中の態度。
その時の心境を考えると、とても何もなかったようには振る舞えないのではないかと言う事。
何となく、あてつけがましいこと言ったり、嫌味を言ったりしそうだ。
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