河岸を散歩をしていると、かすかにキリキリ、ギリギリ、ミシミシという音が聞こえて来たので、
その音の根拠地を捜すと、大きな木陰を提供してくれるポプラだった。
根元は水のせいで土がえぐられる為にウサギが棲める位の穴が出来ている。
両手でやっと抱えられる位の幹に手を押し当ててみると、そのごつごつの樹皮は乾いていて、太陽の日差しを受けて心地よい暖かさを貯蔵している。
河岸は風が強い。
水位が上がって水びたしになることも多い地盤はあまり具合が良いとは思えないが、樹はそれぞれの状況に適応しながら生きている。
その樹を調べてみると丁度目の高さ程のところで幹が分かれていて、それはそろそろ重力に耐る力を失って来ているらしく、少しずつ裂けてきている。音はどうやらそれが原因だった。
風が強くなるにつれて音も大きくなる。まるで呼吸をしている様だ。
風が吹く。。ミシミシ、キシキシ。。。風が吹く。。ギシギシ,グググググ。。。
。。。という事は、こうして樹に抱きついたり、眺めたりしているうちにバリバリ、メリメリと裂けて私は樹の下敷き!という事態を想像して内心ドキリとして後じさりしたが、まだしばらく大丈夫な様子だ。
この状況が少し進展して危険性も出てくるとなると役所が樹にとてつもなく大きなボルトを打ち込むのだろう。かなりハードな対処方だか、樹勢がよければそのボルトを取り囲むように育って行く。
"ドイツの古い樹木”という写真集を持っていて、そこに出ている樹を幾つか見に行ったことがある。(下の写真)
誰も見ていなければ動くのではないかと思うほどの存在感だった。
大きな古い樹の幹に触ると声が聞こえて来そうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/e8/fe2400c05f4c4a6ca10ed043022ff0a0.jpg)
左側の木はドイツ菩提樹樹齢400年から700年とある。
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先ほどニセアカシアの木の下をとおったら、ジャスミンに似た香が充満していた。