意思の疎通には言葉に頼らずにうまく行く場合もあれば、同じ言葉を話しているのに通じないという現象もまま起きる。
双方がその背景土台を理解、承知の上でなければ理解不能な言葉の省略もある。かといって物事を誤解ないように全ての角度から万遍なく表現するのはほぼ不可能であると共に、要点が解りにくくなったり、うんざりしてきたりする。難しいものだ。
そういえば、言語は世界中でいくつあるのだろう?数えてみた事がある人は必ずいると思うけれど、私は知らない。国の数だけとは限らないので、かなりの数になるのだろうな。
今日、オランダのローモンドという街にあるの画廊を訪ねた。美術館の脇にフジツボの様にくっついていて、DINA4サイズのドローイングの展示だけをする小さな画廊だ。7月中旬に展示するので部屋を下見に行った。
担当者はドイツ語を話すので、英語が苦手の私にはとてもありがたい。とはいえ、なかなか独特の物言いで、時々迷路が発生する。早とちりされて少し食い違う事もあったりするので、こちらは何度も手を変えながら同じ質問を繰り返す事になったりするのだ。
この画廊の企画で”DINA4”というプロジェクトがある。世界各国からサイズDINA4のドローイングを送ってもらってアチコチの国で展示してゆく”流離い”の展覧会だ。
だから当然様々な国の作家とのコンタクトがあるわけで、主催者の頭にクエスチョンマークがビッシリ生えることもあるらしい。
彼は色々な例を披露してくれたが、一番印象に残ったのはあるロシアの作家との通信だ。先方は英語を喋らない。
ある日、約束していたその作家から送られてくる筈のドローイングが待てど暮らせどこないので、どうしたのかEメイルで問いただしたそうだ。
そして数日後”ロシアから愛を込めた”メッセージが届いた。
”春は来た。”ただそれだけ。。続きは無い。
とりあえず英語の教科書から写し書いたのだろうか?それとも何か特別な意味があったのだろうか?暗号か?(ロシアの発言の自由度はまだまだ低い)またはウォッカの飲みすぎだったのかもしれない。
また数日後もう一つメイルが届いた”だけどツバメはまだ来ない。。。”
これ、やっぱり暗号ではないか?