乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

雨の鶯歌から三峡へ

2016-03-23 | 台湾
 茶器が欠けてしまったので先日渡台した際陶器で有名な鶯歌に行ってみることにしました。台北駅の地下ホームに降り客車列車の莒光号と高速鉄道の並びを見たらそういえば敵(?)ながらどっちもオレンジ色なんだなあと今さらながら感心しつつ莒光号の方に乗ります。
 リクライニングシートに腰掛けて揺られていると30分少々で鶯歌に着いてしまい降りるのがちょっともったいなくなるところです。鶯歌に停まる優等列車は少なく通勤電車の区間車がほとんどなのでゆったりできる莒光号で行くとちょっと豪勢な気分になりました。こういう台北近郊の駅で手動扉を開けてホームに降りるというのもまたイイものです。


 駅から台鉄沿いを高雄方向へと歩いていくと陶器の店が並ぶ陶瓷老街があります。悪天候の平日だからか全然人が歩いていませんけれども。数軒物色してみると鶯歌産あるいは台湾産に限らず安いものから高いものまでいろいろあって便利ですが気がつくと身体も荷物も濡れ寒さも加わりくたびれて買い物する気力がなくなってしまいました。


 陶瓷老街から台鉄を渡る歩行者用の大きな跨線橋があり、その先にはさらに鶯歌陶瓷博物館へと続く歩道が整備されています。買い物はやめにして登ってみると台鉄がよく眺められ列車の一本も待ちたいところですが傘が裏返るような風に雨で長居できません。


 跨線橋を降りたところに屋根付きの廟があったのでひと息つきました。日本の寺社のように寄附の掲示があるのでなんとなく見ると現物に米苔目や冬瓜茶の字があり台湾らしさがうれしくなるところです。


 廟の先に続く歩道は街の中をぬって通っています。


 鶯歌に着く前はせっかくなので陶瓷博物館をちょっと覗こうかという気もあったのですが徐々にめんどくさくなり歩道から博物館前のバス通りが見えた瞬間三峡方面に向かうとおぼしきバスが来たので飛び乗ってしまいました。雨の日に目の前に現れるバスというのは救助隊とか救世主の類に近いというかとりあえずありがたい乗らなくてはと反射的に動くことになってしまうもののようです。行先と番号を見ずに乗ったためまず運転士さんに三峡に行くか聞いたところ「三峡のどこに行くの?」と返って来てとっさに「三峡一站」と言ったら着いたら教えてあげるとのことでホッとします。車内で路線図を見たら乗ったのは台北客運981番でした。5、6分で統聯客運の三峡停留所と同位置にある台北大学三峡校区停留所に着くと「そこの道の先が三峡一站だよ」と知らせて下さったので降ります。


 教えてもらった道を進むと三峡一站はすぐ近くでした。ここは台北客運と首都客運の車庫・停留所なので少し見物しようと思っていたのですが相変わらず雨と風が続き立って見ているとどんどん濡れてしまうので横目に見るだけにして先に進みます。


 三峡一站の隣にあたる三峡国小停留所までくるとバス通りになんとなく露店が集まり市のような雰囲気が気に入りました。


 さらに進むとよく整備された古い街並みがのびる三峡老街でここは休日大変混雑するところです。ただ悪天候の平日だからか全然人が歩いていません、とこれは鶯歌と同じことの繰り返しになりますけれども。いよいよ濡れて寒くなって来たのでどこか落ち着けるところはないかと見回したところ割と新しい様子の三峡公有市場のビルが目についたので入ることにします。


 1階はまさしく市場であまり居場所もなさそうだったのでエスカレータに乗って2階に上がると目の前に蚵仔麺線(牡蠣入りとろみ素麺スープ)の店があらわれました。牡蠣とモツの入った綜合麺線を頼んですすったら身体が温まってきてほっとします。台湾でごくありふれた料理ですがこうしみじみ美味しく感じたのは初めてでこれは雨風と寒さのおかげもあるのかもしれません。この市場のビルは上に行くほど空いていて小さい喫茶店やフリースペース、トイレもあり私のような観光客にとっても助かるありがたいものです。


 というわけで観光名所というのは一般に空いている方がいいとは思うものの「老街」の類となるとそれなりには混んでいないと寂しくまたわびしいものだとしみじみ思った雨の日でした。
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台北近郊の蘆洲で夜遊び

2016-01-07 | 台湾
 東京にくらべれば小さいとは言え大都市の台北にいるとちょっと疲れたりもするので、台北泊まりの夜は淡水河の対岸、三重や蘆洲辺りに行きたくなったりします。このときはMRTでなくバスに乗って暗い淡水河を渡り暗い道を走っていくのが好きです。
 今回は気に入っている場所のひとつ、蘆洲区の忠義廟付近で降りました。どうということもないような通りですが屋台で狭くなったバス通りを見るといい気分になります。


 廟の門前にはバス停があるのですが並ぶ屋台に埋もれています。


 廟に入るとコメとコインで見事な竜が描かれていました。


 さて何か食べたくなるのはもちろんです。注文を受けてから手で麺を打つ牛肉麺の屋台に寄りました。手狭なところで麺を打つのでできるまでにかなり時間がかかるのですがぼんやりバスを眺めて待つのも幸せなひとときです。


 もう少し欲張りたくなったのでハシゴをするためバスに乗り蘆洲国小停留所で降りました。めあては湧蓮寺の周辺にひろがる蘆洲廟口夜市です。


 夜市の通りに入るとまず湯円(甘い団子の入った汁)の店が2軒めだっていてどちらも人だかりができています。


 前は手前の店で食べたから今度は奥の店、というわけで店を決め風味の違う色々な団子を楽しみました。


 麺と甘いものを食べたあとはレモンとコンデンスミルクを混ぜたレモン牛乳にします。切りたて絞りたてのレモンがたくさん入っているので甘いものを食べたあとでも酸っぱさが勝ちさわやかです。


 というわけでそんなにものすごく珍しいモノがあったわけでもないのですがバスで夜市に出かけて何かテキトウに食べて来たというだけで大変幸せになれました。
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七股塩山

2016-01-01 | 台湾
 台湾・台南市の観光地七股塩山に行きました。ここには興南客運の一般の路線バス(左)のほかに観光向け路線バス「台湾好行」(右)もやって来ます。


 ここはかつて製塩施設があったところを閉鎖後塩をテーマにした観光地にしたというところです。バス停や駐車場の先にはさまざまなかたちで塩を使った食べものの店が立ち並び食べないわけにはいかない気分になってしまいます。


 とりあえず勢いで石焼ならぬ塩焼き栗を買ってしまったあと最も人気があるように見えた塩入りアイスキャンディーを食べました。なるほど塩味がきいています。


 これは塩焼き卵です。卵を殻を割らずにそのまま塩の中で焼いたというもので硬めのゆで卵という感じでした。


 さらに塩豆花に塩コーヒーと食べて飲んだらおなかいっぱいです。


 食い気が落ち着いたら見物にうつります。塩山の脇に見える恋愛成就系のおまじないをする「縁屋」は塩(yan)と縁(yuan)の音が近いことを掛けて塩の多いところ、すなわち縁の多いところだからLOVEなのだそうです。日本語の漢字音だと近いどころか同じなので日本でも使えそうな手ですね。


 招き猫はまあ縁起モノということなのでしょうか。


 台湾で有名なナローゲージとくれば製糖鉄道や阿里山森林鉄道ですが、ここには製塩鉄道があったので車両が展示されていました。


 屋内にもたくさん保存されています。右の青い巡道車は存在感があり記念撮影用パネルもあってここの目玉という感じです。


 製塩鉄道は保存展示されているだけで乗れませんが、乗れるものにウマと観光地によくある豆列車風トラクターがあります。


 豆汽車に乗ってみたところ専用道に専用橋まであって案外鉄道っぽくなかなかあなどれません。


 豆列車の着く先は「台湾塩博物館」ですが改装中で展示はわずかでした。そのかわり入場料をタダにしていたので好印象です。ここにもナローの機関車が展示されていました。


 という具合の塩がテーマの観光地ですがナローが好きならその方向からも楽しめるのではないかと思います。
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将軍漁港でサバヒー尽くし

2015-12-31 | 台湾
 台南市の佳里バスターミナルは東を南北に走る台鉄縦貫線の主要駅、台南、善化、新営からのバスが集まっています。また逆に西海岸に向けてもいくつもの路線が出ている結節点です。ここから将軍漁港に行くことにしました。


 佳里から将軍漁港へは経由の違う藍10・藍20があり、今回乗ったのは藍10の方で将軍漁港までは30分ほどです。


 将軍漁港は観光客向けに食堂や魚介類の即売所が入った施設「船老大漁村」があります。マーライオンはなんでなのかよくわかりませんが台湾でよく食べられている魚「サバヒー(虱目魚)」の像を見たらとりあえず食べたくなってしまいました。


 サバヒー料理の看板はたくさん見られます。まず面白いと思って食べたのがサバヒー小籠包です。おいしいのですが豚肉が主でよくまとまった味になっているのでこれが虱目魚っぽい味なのかどうかよくわかりませんでした。もともとサバヒーはあまりクセのない魚ではありますが。


 サバヒーつみれ汁はなるほどサバヒーのつみれだなあという感じです。


 サバヒーソーセージも豚が主でやっぱりそつなくまとまっていて、最後にじゃあサバヒーそのものっぽいものも食べておくか、とシンプルな揚げサバヒー(虱目魚柳)を食べたらさすがにサバヒー食べたぞと満足しました。


 サバヒーではないのですが刺身屋も誘惑してきます。サーモンはいらないからここであがった魚を切ってと頼んだらなんだかよくわからないとにかく脂がよく載った白い刺身が出て来ました。これを食べたらさすがに満腹です。


 というわけで特にオチもないのですがいろいろなサバヒー料理が食べられ楽しめました。
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トーチカと茶畑

2015-12-29 | 台湾
 台湾・彰化県の田中駅で台鉄を降り、今年開業した彰化客運バスの赤水・松柏坑経由南投行きに乗りました。八卦山脈に上がって県境を越え南松柏嶺停留所(南投県名間郷)で降ります。
(バスの話はこちらをご覧下さい。)
 この辺りは茶畑とパイナップル畑が広がり見どころが点在しているので見物して行こうというわけです。


 畑にはときどきトーチカの跡が混ざっています。一部は見晴らし台に改装され「七星陣地公園」という名前がついていたりしますが考えてみればトーチカとなると壊すのは大変でしょうから苦肉の策なのかもしれません。とは言えまずは物騒なものがのんきな遊び場になるくらい良い時代になったということなのでしょう。


 このあたりは松柏長青茶というブランド名を持つ茶どころで『茶二指故事館』なる茶がテーマの観光施設があるというので行ってみました。入口では指の看板が迎えてくれます。なぜ指かというとこの施設のオーナーが8歳のとき製茶の手伝いをしていて事故で指2本を失ってしまったことを記念しているからだそうです。不幸な事故を逆手に取り前面に出すとは大したものだと感心させられました。


 茶葉の種類や製茶の方法など「らしい」展示の中に偉人と茶の関係をテーマにしたコーナーがあり、蒋経国総統と毛沢東主席が並んでいて現代らしさを感じました。松柏長青茶という名をつけたのは蒋経国なのだそうです。


 このような展示や茶、茶を使ったお菓子等の販売をしている棟の裏に茶畑を利用した庭園があります。茶畑の観光施設というからちょっと韓国の全羅南道宝城郡を思い出しましたが、冷涼で茶畑が珍しい韓国と違って茶畑がありふれている台湾にこういう施設があるというのはなんとなく面白く感じました。また庭園にある食堂棟ではかつて茶畑での作業の合間に食べた弁当をイメージした弁当を名物メニューとしています。


 という具合に茶関係を見物して改めて南松柏嶺バス停まで戻ると受天宮という廟に向かう参道が伸びているのでそっちも見物しました。土産や食べ物の店が多く並んでいますが一番目立つのはやはり茶葉の店です。受天宮前まで来ると西の海側への見晴らしがききました。


 ちなみに参道の店で行列ができてよく売れていたのはこの辺りが産地だという山薬すなわち長イモを使ったかき揚げでした。私もつられて並び食べてみましたが一見単純そうなものながらなかなかウマくなるほどというところです。


 という具合に茶どころ見物を楽しんだらまた彰化客運のバスに乗り濁水に出ました。濁水は台鉄のローカル支線集集線の沿線、というとなんだか鄙びていそうですがバスで見ると南投・台中方面への路線が頻発している便利な場所です。また枝線に乗る場合幹線から乗り換えるよりも途中や末端の駅にバスや渡船で出て乗るとなぜかより楽しい気がするものでその意味でイイ駅ということになります。暗くなってきたホームでタブレット・スタフの受け渡しを見物しつつ二水行きに乗りました。
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