乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

茨城南部乗り継ぎ(1)飛び地の渡船

2010-08-06 | 茨城県
 東京から常磐線に乗って利根川を渡ったところにある取手は、千葉と茨城の境、複々線と複線、直流と交流というように色々な点でボーダーなのでなかなか存在感があります。

 この取手を通るたびに気になっていたのが小堀地区に向かう渡船(小堀渡船・小堀の渡し)の存在です。茨城県取手市の小堀地区はもともとは取手市(あるいは茨城県)「本土」とくっついていて千葉県とは利根川(旧流路は現在の古利根沼)を挟んで離れていたのですが、利根川の流路変更に伴いできた新たな利根川流路によって「本土」と切り離され千葉県側になってしまいました。この小堀地区には利根川を渡る橋がないため茨城県取手市の「本土」に行くには一旦千葉県を通ってからでないと行くことができません。つまり飛び地になったというわけです。そんな経緯から小堀地区と本土を結ぶ渡船が運行されています。
 飛び地といい渡船といい興味を引くものの東京住まいだと近いのでいつか行けばいいとつい伸び伸びにしていたのですが、このたびようやく重い腰があがり、その渡船、またせっかく行くんだからと付近のバス・鉄道を乗り継ぐことにしました。

 スタートは千葉県側の常磐線天王台駅北口です。ここでまず川村学園経由大和団地行きの阪東自動車バスに乗ります。ところでこの辺り以前ニュー東豊という変わった名前の会社の路線バスも出ていたような気が、と思ったら今は撤退しているのだそうでびっくりしました。やっぱり何でも乗ろうと思ったらすぐ行動しなければいけませんね。何度も懲りてるはずですがなかなか反省しきれません。


 途中の川村学園止まりは結構多く出ているのですが大和団地行きは毎時1本あればいい程度です。乗ってみると川村学園を過ぎると田んぼが広がるのどかな景色になり本数が少ないのも納得でした。10分ちょっとで大和団地停留所の折返所に着きます、ここが千葉県側の古利根沼に一番近いバス停のはずです。


 古利根沼に向かいます。手を抜いて地図を用意しないまま出かけてしまったので大和団地で降りる前に運転士さんに教えてもらい大体の見当で目指しつつ歩き出しました。ほどなくすぐに目に入ったのが自然観察の森の入口です。

 森というか雑木林がそのまま残されているなかなかセンスのいい公園でここから沼を見下ろすことができます。


 ただ目指す小堀地区は沼の対岸にあり、沼を渡る橋はないので元は川の細長い沼を西からぐるりと回りこまなければなりません。


 すんなり沼沿いにのびる道というのはなかったので田んぼや畑の中を歩いていきます。暑い夏の日差しにうんざりしつつもどうやら沼の西端、つまり利根川だった頃の上流に来ました。この水上付近を千葉と茨城の県境が通っているはずです。

 陸上だとこの土手の辺りを県境が通っているはず、ということはいよいよ飛び地地域の小堀地区に突入するわけです。なお小堀の読みは「おおほり」です。大堀みたいでまぎらわしいのですけれども。「おおぼり」と言っていた通りがかりの人もいました。

 さて飛び地の小堀地区に入って最初に目に付いたのが成田航空専門学校です。入口にプロペラとタイヤが展示されてるのはさすがですね。


 時間もない上暑いので集落の中はちょっと見ただけですがとりあえずごく地味な集落で静かでした。水神社、常円寺、小堀集会所が集まっている辺りが集落の中心のようです。


 (現)利根川の土手近くにニュー東豊の車庫がありました。


 土手を越えると渡し場です。渡船の運賃は100円ですが小堀地区在住の方はタダで乗れるというので飛び地の渡船らしい気がしました。


 ほどなく私と自転車を持ち込んでいるお客さんの計2名で動き出します。定員12人の小さな渡船ながら自転車と原付を持ち込めるそうでこういうところは渡船のいい点ですね。
 なお渡船の渡し場は3箇所あり、経路は以下の順で三角形を描くように運行されています。
右岸:小堀地区の『小堀』渡し場

左岸:『小堀』の対岸付近にある『サッカー場』渡し場

左岸:常磐線鉄橋下にある『ふれあい桟橋』渡し場

『小堀』に戻る
(取手市公式サイト内に時刻表等情報あり)

 途中経由地の『サッカー場』では時間調整がありました。


 改めて見ると小さな船室がかわいらしい感じです。


 炎天下ではあるもののなかなか爽快な川風を浴びながら茨城県取手市の「本土」、『ふれあい桟橋』に着きました。と言っても要は東京(私の家)から千葉を通って取手に着いただけなのですがなんだか結構な大旅行をしたような気分になります。


(次回に続きます。)

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