白い犬のこだわり

昨日車に乗って交差点で信号待ちしていると、一匹の白い中型犬と女性
が反対車線の歩道を歩いていました。白い犬は信号待ちしている私と
目が合うと、散歩の足を止めて私をにらみつけてきました。その距離は
１０ｍほどあります。女性は散歩用のひもを引っ張って、犬を連れてい
こうとしますが、がんとして動こうとしません。
私を見る目はますます険しくなり、私に向かって吠え出しました。
見に覚えのない犬から、こんな所で吠えられることは初めてのことで、
不思議に思いました。普通散歩中の犬は、ウキウキ気分になっているの
で、見知らぬ人に吠えるということはありえません。
女性は吠える犬をなだめながら、ひもを強く引っ張って２、３歩前に進
めましたが、犬はまた立ち止まって振り返り私を見て吠え出しました。
女性は誰に向かって吠えているのか、犬の吠えている先の私を見ました
。私は見知らぬ犬から吠えられて、見知らぬ女性からも、何かのぬれぎ
ぬをかけられたみたいで恥ずかしくなってきました。
ようやく赤信号から青信号に変わり、車を発進することができました。
車で追い抜いていくと、白い犬は私に向かってますますひどく吠えてい
るようでした。犬がなぜ、そうまでして吠えたのか考えてみました。
あのこだわりと、吠え方は子犬だった頃に、きっと私に似た人間にいじ
められたことがあったのかもしれません。『三つ子の魂百まで』という言葉
がありますが、どんな生き物にもいえる言葉なのかもしれませんね。

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