全員では無い事を最初に言っておくが、ここ数年日本から上海に来る若い日本人と会っていて思う事がある。それは、限りなく果てしなくぬるい。30度くらいの風呂の湯に延々と浸かっているような感じ。日本という国は、自分が手を出さなくても、オートマチックに機械が先読みし物事を処理してくれる 、世界でも稀に見る機械化が進んだ国と言える。別にこれが悪いとは言わないが、それに慣れ過ぎると頭を使わなくなり感も冴えなくなるので、五感すら感度が落ちるのだ。そういう人達の特徴は、身につけている物はそこそこ良い物を買っているので、一見そこそこセンスが良さそうだが、その人に似合ってないのだ。そして、そういう人の顔は穏やかなのだが、緊張感が無い。一言で言えば、すべてが受け身体勢。
前世紀の話だが、ある大手のコンビニ本社で働いていたその人は、その会社のスーパーバイザーだったようだ。肩書きからすると上の方に位置する人なんだろうなと誰でも思う。なんせ、スーパーだからね。で、その人が、関東近県のちょっと外れた場所のみで店舗展開し成功していたスーパー本社に転職。この店は、他の大手とはまったく違うやり方で店を運営し、各店舗の店長が独自の判断で仕入れや値付けをするので、会社員でありながら自分で店をやっているようなものなのだ。つまり、もっとも商売の根本を継承し店舗拡大をしていった店なのだ。そんな店に、前職の肩書きがスーパーバイザーだった人が、現場実習として数ヶ月配属されたのだから、さあ大変。まず、商品知識がまったく無く仕入れた物の値付けも出来なくて邪魔者扱いされ、各店舗のパートの人達にも使えない攻撃をくらい、他店へたらい回しにされた挙げ句の果て、数ヶ月で退社。
大手のコンビニで売られている商品なんて、一部を除いてみな同じような物なのだ。なので、それだけの商品知識しか無く、しかもポスを使って何がどのくらい売れたかなど機械がやってくれるし、売り場の経験がないので何をどうしたら良いのかさっぱり分からなかったようだ。
こういう歯車の一部だったような人がこちらに来ると、とんでも無い事になる。そして、相手をすぐに信用し相手の都合のよいペースに乗せられ、最後は騙されて店を乗っ取られる。だいたい、乗っ取られる時期というのは、その店の商売が安定して来た時期が多い。
日本では、騙した奴が悪いと思う人が多数だろうが、こちらでは騙された方が悪いというのが常識なのだ。ホント、感の冴えない日本人多過ぎ。
☆写真は、夜誰もいない人民広場内の照明の消えたメリーゴーランド。
Canon FD50mm f1.4