桂林で宿の達人の手料理はとても旨かったが、それよりも準備の手際良さと石の組み方に感心してしまった。河原で大きめの石を集めアッという間に石を組み上げたのだが、ここまでは誰でも出来る。でも、石組みで完全に蓋をしてしまう組み方は知らなかった。
石で出来たかまどの中は当然空洞
石を火で炙り熱する
トップの石を外しホイルで包んだ鶏を入れ、また火で炙った石をホイルに寄せるように並べ石で蓋をする
前世紀の80年代には私も千葉の大原や河口湖付近でキャンプをして当時は直火で料理を作った事が何度もあるが、火を起こす際に最低限新聞紙を使うのが普通だった。ところが、桂林の宿の達人は紙類は一切使わない。枯れ草や細い枯れ枝を集めアッという間に火種を作り火を起こした。当然着火剤なんてチャライ物は使わないし彼らは知らないだろう。
この日、河原にクロス代わりに使ったのはバナナの葉で、串焼用の串は生竹の枝など、アルミホイル以外はすべて天然の物を利用。日本ではColemanのアウトドア用品でガッチリと固めたキャンパーがほとんどだろうが、桂林ではそんな物なんて誰も知らないし必要ないのだ。
今身の回りの最低限の物で火を起こせる人が日本にどのくらいいるか知らないが、いるとしたらおそらく私の年齢より上の人だろうな。 まぁ、こんな事は都会で普通に生きていく為には絶対に必要なテクニックではないが、災害時の事を思うと知っておいたほうが良いかもしれないね。
☆達人のいつものユニフォームは、シャツの袖部分を引きちぎったルーズなコットン製で、いつも裸足で歩いていたので、勝手に桂林のターチャンと命名。
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