本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

「パーフェクト・デイズ」ロケ地を歩く(追記あり)

2024-06-23 01:55:25 | お散歩
20240601

今回のオカタケ散歩は以前から盛り上がっていました。
ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクト・デイズ」、昨年、第76回カンヌ国際映画祭にて役所広司に最優秀男優賞をもたらした名作です。そのロケ地を巡っちゃおう、と。

いつものメンバーの中には「8回」観た猛者もいて、「観るたび新たな発見がある」と。私も3月に日比谷シャンテで観ましたが、もう一度観たいな~と思ってるうちに近くでは終了。

役所広司演じる「平山」は、東京の公衆トイレの清掃員。
多数の本と60~70‘オールディーズカセット、鉢植え、布団の他これといった家財もない木造アパート。
日の出と共に目を覚まし、いつものように洗面を済ますと車のキー、コイン、ガラケーをポケットに入れる。玄関を出ると空を見上げ微笑み、缶コーヒーを一本買う。掃除用具を満載した青い軽バンに乗り込み仕事場へ向かう。
いつもの角を曲がるとカセットを押し込む。カーステレオから流れるのはThe Animalsの「The House of Raising Sun」等々。

仕事の合間にはいつもの公園で木漏れ日を楽しみながらサンドウイッチで昼食。
夕方にはアパートに戻る。自転車で銭湯へ行き、いつもの店で一杯。夜は寝落ちするまで布団で読書。
単調だが本当に自由・・・
しかし、ある日思わぬ出来事に彼の心は小さく揺れる・・・

ざっとこのような筋ですが、ヴェンダース監督の細部への拘り、役所広司の感情を内に秘めた演技に心はざわついたり解放されたり・・・とにかく素敵な映画でした。


当日は小田急小田原線「代々木八幡」に14:00集合。



少々歩いて・・・




代々木八幡宮



の麓の「キノコトイレ」。
平山がここで見知らぬ人と往復書簡で○×遊び。


階段を上って八幡宮のベンチへ・・・





平山ベンチでサンドウイッチ頬張りながらパチリ。
「KOMOREBI」








隣接する公園には・・・





「透明トイレ」

人が入ってカギ閉めると全面ガラスが不透明になります。
(冬場は気温の関係で不透明化ができず使用中止と!)

この辺りで劇中では同僚役の江本時生演じる「タカシ」との絡みが秀逸。いい加減なヤツだけどどこか憎めない・・・



公園内・・・


作中ではこの木の下で田中泯演じるホームレスが踊ります。
(写真は田中泯の踊りを再現する師匠)



続いて大きく電車で移動。




JR亀戸駅で下車。


師匠のススメで「パ」とは関係ないが一行は少し離れた「亀戸天神」へ向けて歩きます。

広い敷地内には見事な池やら橋やら・・・
各自15分程散策。




平山も見上げたスカイツリーも近いです。




そして、そして・・・




やって来ました平山アパート。
現在も住んでる方がいらっしゃるので、そ~っと観覧。


この後、さくら湯やあわよくば劇中登場の焼ソバ屋等々訪問プランもあったのですが、生憎師匠の電池切れ。


亀戸駅前までバスで戻り、居酒屋で打ち上げ。

作中では「本」「カセット」が見事な小道具として使われており、あった平山の本棚に○○があった!とか、カセット屋に○○氏がいた!とか何度も見た人の発見で盛り上がり。

作中、重要な本として取り上げられるのがパトリシア・ハイスミスの「11の物語」、ハヤカワ文庫では好評を受けて4月に久しぶりに増刷。古書値がつり上がっていましたが、やっと手に入り読了。観てから読むのも良いが、読んでから観るのもおススメ。

同様、フォークナーの「野生の棕櫚」も中公文庫から昨年11月に出されまして、手に入りました。

幸田文の「木」はホントに泣けてくる。こちらは以前から座右の書です。

名残惜しくも、店の二時間縛りにあい、この日は解散。

翌日予定ありのウチ●は帰宅の途につきましたが・・・
西の方角へ帰る方々は高円寺の二次会でさらに盛り上がったようで・・・


ウチ●は
地元に進出のちゃん系ラーメンで締めました。


ニューともちん
ライス無料で700円。
味も好みです。リピ決定!



追記:その後たまたま読んだ石ノ森章太郎
「佐武と市捕物控 江戸暮らしの巻」ちくま文庫



60年代後期から70年代前期にかけての石ノ森の野心的代表作ですが、作中の「めでたさも中位なり江戸の春」というエピソードに亀戸天神の「鷽替え」という行事がモチーフとして取り上げられていますねぇ~。


追々:本日、太田和彦先生の「居酒屋道楽」河出文庫
を読んでいたら、バスでぶらりと亀戸やら門前仲町に飲みに行く話がありまして、挿入エピソードに昭和23年千葉泰樹監督「生きている画像」(出演:大河内伝次郎・藤田進・笠智衆)という作品を観たら、売れない画家役の笠智衆が、夜の亀戸天神・藤棚の掛かる太鼓橋で意中の娘と会うシーンがあると!
これはまさに上のスカイツリーの写真を撮った辺りですねぇ~

  




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (duo)
2024-06-26 12:39:35
「パーフェクト・デイズ」話題になってましたね。観たいけど、ま、いずれTVでやってくれるでしょ!?と開き直っていますw

毎度ありがとうございます。さっそく幸田文「木」を図書館に予約しました。

そうそう、つい最近たまたま「The House of Raising Sun」を聞いたんです。ですがこれがThe Animalsではなく、歌っているのが、なんと、ちあきなおみなんです。しかも日本語の歌詞(浅川マキ作詞)で。なかなかです。聞かせます。もしもお聞きになったことがなければどうぞ。
返信する
それそれ (ウチ●)
2024-06-28 02:54:26
>duoさん

”The House of Raising Sun” Japanese Version Written by Maki Asakawa
を、劇中で石川さゆり扮する居酒屋のママが情感たっぷりに歌います。(あがた森魚扮する、落ちぶれたミュージシャンの常連客のリクエストに応えて)

柴田元幸さんとか「おおっ」という方が随所にチラッとでてたりするんですよ~。
因みに、最後の3分程は映画史に残る名シーンかも知れません・・・
返信する

コメントを投稿