2023.4.22(土)
「オカタケ散歩」の皆様と山本周五郎「青べか物語」の舞台となった浦安の町を散策してきましたよ。
今は多くの方が浦安といえば「東京ディズニーランドのある所」かと思いますが、周五郎は偶然下車した浦安を気に入り「日本のベニス」と賞し暫く住み着いてしまいました。
この日はあいにくの曇り空で少し肌寒い日でしたが雨が降らずに良かったなぁ!
統一地方選挙の選挙戦最終日とあって東西線浦安駅前は喧騒と物々しい雰囲気に包まれていましたが・・・
14:00集合で先ず目指すは郷土博物館。
可愛らしいバスに乗り猫実(ねこざね)の町を通り抜けます。
浦安名物「焼き蛤」のお店も残っておりました。
実は、この4月に郷土博物館の展示室と屋外展示場が素敵にリニューアル。
いざ展示室へ・・・
釣に興味のある人には面白い展示が色々ありまよ。
「イカ藻」獲るばかりでなく増やすために。
貝やノリの養殖も盛んでそこで大活躍したのが一人乗りの小型木造漁船「べか舟」でした。
おお、これは貴重ですね。青ギスの脚立釣り(遊漁)で使用された「脚立」!!
青ギスの貴重な資料も展示
他にも投網漁や打瀬網漁などについていろいろと知ることができました。
江戸前の魚の泳ぐミニ水族館もあり(特大ヒネハゼもいるでよ~)
室外には往時の浦安の町を再現してあります。
週末は懐かしい駄菓子の販売があったり、べか舟の乗船体験ができたり、チビッ子連れてきてもきっと喜びますよ。
何げに県・市の文化財指定を受けた貴重な建物群がここにあります。
この三軒長屋は時代劇などにもよく登場するが、何と近くの堀江三丁目に残っていた江戸時代の実物だそうです。全国的にも大変めずらしいそうです。
こちらは今は寂れてしまった浦安のかつての繁華街「フラワー通り」に面して建っていた明治期の魚屋
フラワー通りにあった「天鉄」を再現。「青べか物語」の中では主人公「蒸気河岸の先生」がよく行った店
郷土博物館を出て境川沿いを歩く・・・
川面にはキラキラとボラの幼魚が光っています。長閑なイイ感じ。
豊受神社にお参り
見事なな富士塚(残念ながら登れません)
町では地域をあげて歴史的な建物を保存している様子。
上は医院、下は商家(郵便局などもされていたと。)下の家は中の見学もさせていただきました。
境川の水門まで歩くと旧江戸川に出ます。
この辺りが作中の「蒸気河岸」
そして、釣り人なら知っている「吉野屋」
丁度、夜釣りの船の準備中だったようで大変な賑わいでした。
この店の当時の建物の二階に周五郎が間借りしていました。
蒸気河岸から境川を振り返る。
ゆっくり暮れ行く浦安の町でしばしいい感じの水面を眺める・・・
昔はここも多数のべか舟で埋め尽くされていたのでしょう。
そして最後は、当然ながら駅前で皆さんお楽しみの水分補給!
入ったのが激烈に活気のある人気店でして、時間制限もあり~ので、飲み足りない、話し足りない人たちは(私も含め)東西線で高円寺へGO。
散歩堂さんの引率でとっても粋なお店にて今度はゆっくりまったり過ごせ、語らえました・・・
補足
「青ギス」は江戸時代より釣り味の良さから人気の釣り対象魚でしたが、高度成長に伴い東京湾からは姿を消してしまいました。浅瀬に脚立を立てて警戒心の強い青ギスを釣る「脚立釣り」は東京湾の風物詩でしたがこちらも青ギスと共に絶滅してしまいました。
月刊「つり人」初代発行人の佐藤垢石による「きす、黒鯛、鱸釣」※昭和18年鶴書房刊 にこの釣り方の詳しい記述がありますが、いずれまた詳しく。。
江戸前のつり人の間で「キス釣り」とは青ギス釣りの同義語だったようです・・・
山本周五郎は何冊か読みましたが、浦安の話は知りませんでした。確かに浦安と言えばディズニーランドのイメ-ジが強いですが、こんな風情ある街でもあるんですね。
青ギス、釣りたいです。
コメントありがとうございます。改めて宜しくお願いいたします!
「青べか」は山周が浦安に暮らした時から30年を経て出された本で、その間多数の断片的エピソードを数多の作品に取り込んでおります。つまり、熟れ鮨的・ミルフィーユ的面白さ満載な作品でオススメです。(他にも「おさん」新潮文庫などもおススメ)
アオギスが再び釣れるような東京湾を願っておりますが、現在は山口や九州のごく一部にのみ生き残っているそうですね・・・