2015年の12月、修学院離宮の見学をしてきました。
なかなか予約が取れなかった離宮ですが、秋の紅葉シーズンが終わったあたりで、運よく参観予約の空きがありました。
修学院離宮は、17世紀中頃、1653年(承応2年)~ 1655年(承応4年)に後水尾上皇の指示で造営された離宮で、上御茶屋(かみのおちゃや)、中御茶屋(なかのおちゃや)、下御茶屋(しものおちゃや)という3か所の庭園からなります。面積は54万平方メートル。
見学は、下御茶屋からスタートです。
池泉観賞式庭園のなかに、後水尾院の御座所となった寿月観が建っています。
表総門を入り、北に進むと、石段上に御幸門があります。
屋根は柿葺、花菱紋の透かし彫りが施されされています。
御幸門を入り右折すると中門があり、池を掘った土を盛り上げた高みに寿月観があります。
寿月観
後水尾院行幸時の御座所となった建物。
当初の建物は岩倉殿(顕子内親王)の山荘から移築したものでしたが、享保年間(18世紀前半)に失われ、文政7年(1824年)に再建されました。
「寿月観」後水尾天皇の宸筆の額
東側に「一の間」、その西に「二の間」、その南に「三の間」と続き、三の間の西には5畳の茶室があります。二の間の北には4畳半、その北には10畳半の「玄関の間」が突出し、建物の北西端に式台玄関(御輿寄)があります。
屋根は杮葺で、一の間側が寄棟造、三の間側の南妻は入母屋造。
一の間は15畳で、三畳の上段が設けられ、襖絵は岸駒(がんく)による虎渓三笑(こけいさんしょう)の絵が描かれています。
茶室は5畳で北側に床を設けており、裏には物入と水屋(だいどころ)があります。
二の間は12畳で、西側南寄りの杉戸に夕顔の絵があります。
その南の三の間は6畳で、従者の控えの間であったそうです。
茶室は5畳で北側に床を設け、裏に物入と水屋があります。
上段の間
杉戸
細かな装飾も豪華です。