回廊を通って、客殿に向かいます。
客殿
寛永14年(1637)、十三世日渕の代に建立され、安永2年(1773)二十五世日義の代に
再建されました。
桁行十間・梁間八間の寄棟造りで、前面に桟瓦葺きの向拝がつき、
側面に濡縁が巡らされています。比較的古式な客殿ですが、江戸時代の特徴をよく示
しています。
平成23年度から24年度に行われた保存修理工事に伴い、本茅葺きから茅葺き型鋼板
葺きに変更されました。(駒札より)
句碑 星野立子
花の寺 静かな人出 中に歩す
中門
大書院の本玄関に通ずる中門は、朱塗りの門であることから別名朱門(あかもん)とも
呼ばれています。
貞享3年(1686)十七世日観の代の建立とされ、本柱と控柱の直上に切妻屋根を載せた
薬医門といわれる門です。
薬医門は、元来桃山時代創始の城門の一種でしたが、江戸時代には寺院の門として多
く用いられました。
当初は、客殿正面に建てられていました。
夕早き庫裡のはひりは日たむろと 築地めぐらして朱き中門 北原白秋