「平成マシンガンズ」(著:三並夏)を読みました。
作者紹介欄を見たら、「2005年に本作で、第42回文藝賞を史上最年少15歳で受賞する。」とありました。
すごい若いですね
1990年生まれとあるので、私より6歳も下なようです。
時代の流れを感じますね…。
内容は、まさにマシンガンのような早いテンポです。
一文一文は長いのですが、途中でつっかえることなく読める、そんな感じです。
-----内容-----
主人公の内田朋美は、目立つことを恐れ地味な子を演じる高校一年生。
母親が別居し、家には毎日のように父の愛人が来る。
ある日、そのことが友達に知れて、それをきっかけに朋美へのいじめが始まる。
そして朋美は不登校になる。
さらに追い討ちをかけるように、父の愛人から「近々あんたのお母さんになる」と告げられる。
救いを求めて、朋美は母親のアパートに向かうのだが…。
ものすごく本音を綴った小説だと思います。
特に最初の3ページ、すごい勢いで読みました。
これは確かにマシンガンだと思いました。
その後の展開にもどんどん引き込まれていきました。
話の節目節目で朋美の夢に出てくる謎の死神が何なのか、すごく気になりました。
その答えだと思うのがこの文です。
「あたしはやっと切り捨てて進むということを知った。結局あたしの好き嫌いなんて関係なく最後には一番安全でお金のあるところに落ち着いてしまうんだ。あたしはいつもよりずっと強く早く大人になりたいと願った。そうしたらこんな薄汚い奴らの手を離れて自分の力で地に足をつけていろんなわがままができると思う。でも、父や母のようなだらしない大人になるのは絶対にやめよう。」
「早く大人になりたい」の部分にすごく共感しました。
私も高校生のとき同じことを思っていたのを思い出しました。
でも大人になった今、わがままができているのかというとそうでもありません。
仕事は大変だし、10代のときに描いていた未来とは大分違ったものになりました。
でも朋美の気持ちはすごくわかります。
もう一つ、印象に残ったのがこの文です。
「最近の子供ってわりと内向的でプライド高いからあんまり悩みを人に相談したりすることってないからね。あたしたち、とってもナイーブなんです。」
これはそのとおりだと思います。
悩みを相談するのは弱さを見せるようなものだから、そんなことはしたくないと考える傾向があるように思います。
三並さんがこの小説を書いたのは15歳。
15歳だからこの内容を書けたのだと思います。
本音を綴る小説は読むのに度胸が要りますが、読み出すと止まらないです。
良い本を読めました。それではまた。
※「平成マシンガンズ」の再読感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
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すごい若いですね

1990年生まれとあるので、私より6歳も下なようです。
時代の流れを感じますね…。
内容は、まさにマシンガンのような早いテンポです。
一文一文は長いのですが、途中でつっかえることなく読める、そんな感じです。
-----内容-----
主人公の内田朋美は、目立つことを恐れ地味な子を演じる高校一年生。
母親が別居し、家には毎日のように父の愛人が来る。
ある日、そのことが友達に知れて、それをきっかけに朋美へのいじめが始まる。
そして朋美は不登校になる。
さらに追い討ちをかけるように、父の愛人から「近々あんたのお母さんになる」と告げられる。
救いを求めて、朋美は母親のアパートに向かうのだが…。
ものすごく本音を綴った小説だと思います。
特に最初の3ページ、すごい勢いで読みました。
これは確かにマシンガンだと思いました。
その後の展開にもどんどん引き込まれていきました。
話の節目節目で朋美の夢に出てくる謎の死神が何なのか、すごく気になりました。
その答えだと思うのがこの文です。
「あたしはやっと切り捨てて進むということを知った。結局あたしの好き嫌いなんて関係なく最後には一番安全でお金のあるところに落ち着いてしまうんだ。あたしはいつもよりずっと強く早く大人になりたいと願った。そうしたらこんな薄汚い奴らの手を離れて自分の力で地に足をつけていろんなわがままができると思う。でも、父や母のようなだらしない大人になるのは絶対にやめよう。」
「早く大人になりたい」の部分にすごく共感しました。
私も高校生のとき同じことを思っていたのを思い出しました。
でも大人になった今、わがままができているのかというとそうでもありません。
仕事は大変だし、10代のときに描いていた未来とは大分違ったものになりました。
でも朋美の気持ちはすごくわかります。
もう一つ、印象に残ったのがこの文です。
「最近の子供ってわりと内向的でプライド高いからあんまり悩みを人に相談したりすることってないからね。あたしたち、とってもナイーブなんです。」
これはそのとおりだと思います。
悩みを相談するのは弱さを見せるようなものだから、そんなことはしたくないと考える傾向があるように思います。
三並さんがこの小説を書いたのは15歳。
15歳だからこの内容を書けたのだと思います。
本音を綴る小説は読むのに度胸が要りますが、読み出すと止まらないです。
良い本を読めました。それではまた。
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