読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「さるのこしかけ」

2007-09-15 00:12:36 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは「さるのこしかけ」(著:さくらももこ)です。

この本では、巻頭に「インド旅行記」というカラーページがあります。
さくらももこさんと夫、旅行会社のガイドの3人で、インドに行ったときの写真が掲載されています。
エッセイ内にも「インド旅行計画」、「インド駆けめぐり記」というインド編があり、かなり面白かったです
まずは「インド旅行計画」。
爆笑だったのは旅行会社のガイドの人の登場シーン。
その人はやさしい感じの人なのですが、名前がすごい(笑)
少しネタばれになりますが、そのときのシーンをご紹介します。

『旅行会社のその人は、ニッコリしながら名刺をくれた。
私と主人は名前を見て息を飲んだ。

大麻 豊

名刺にはキチンとそう書かれていたのである。
ちょっとあんた、インドで大麻が豊かなんてそりゃまずいんじゃないの…という、言葉にもならない同じ想いが名刺を見つめる夫婦の間にたちこめていた。』

このあとのさくらももこさんと旦那さんのやりとりが面白いのですが、ここでは伏せておきます。
そして「インド駆けめぐり記」。
インドへ旅立つ成田空港のロビーでも、大麻さんの名前は注目を集めてしまいます。
そのときのエピソードをご紹介。

『空港に入る前のチェックで、警官から日程表を見せるよう言われたので、主人はサッと日程表を取り出した。
”成田で大麻と合流”という文字を見た警官の目が一瞬キラリと光った。私たちは”そりゃそうであろう”と警官の気持ちを察し、「大麻というのは代理店の人の苗字です」と、詰問される前に報告し、無事空港内に入っていった。』

これはたしかに警官も警戒すると思います。
”成田で大麻と合流”って、どう考えても怪しいですしね

「インド駆けめぐり記」ではインド国内を見て回った感想が書かれています。
それによると、どうもインドでは、物売りのしつこさが尋常ではないらしいです。
何か買ってくれるまで追いかけてくるとのこと。。。
さくらももこさんは「もうインドに用はない」と怒り心頭のコメントをしていたので、インド旅行はよほど興味のある方しか行かないほうが良いかも知れませんね


あと面白かったのが「お見合い騒動」。
さくらももこさんのお姉さんが21~22歳の頃、母親に無理やりお見合いさせられた話です。
「神経質そうなメガネ男」とお見合いするはめになったお姉さんは猛烈に嫌がりました。
このときの母親の口調がテレビの「ちびまるこちゃん」と全く同じ感じでかなり面白かったです。
その一部をご紹介。
「あんたねぇ、いつまでも時任三郎がいいだのとんねるずの誰それがいいなんて言ってる場合じゃないんだよ。全くバカだね。会うだけでもいいから何が何でも会ってちょうだいよっ」
「あんた、お姉ちゃんに、時任三郎やとんねるずなんて、この世にいないと説明しな。いつまでもそんなのがいると思われてちゃ、あたしゃ困るんだよ」

うむむ、まさに「ちびまるこちゃん」に出てくる「お母さん」ですね。
「あんたねぇ」とか、「あたしゃ」とか、昔「ちびまるこちゃん」を見ていたときによく聞いたセリフです
まるこの一家ってこういうセリフをよく使うのが印象的ですね。


今回もすごく読みやすくて良いテンポで読めました
今日からエッセイ三部作の三作目、「たいのおかしら」を読み始めています。
この本もかなり面白そうな予感がします

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。