読書日和

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「たいのおかしら」

2007-09-19 20:50:45 | ノンフィクション・エッセイ
たいのおかしら」 著:さくらももこ

-----内容-----
虫歯治療用の笑気ガスがもたらした、とんでもない幻想。
朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代
はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生……。
日常の中で出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。

-----感想-----
今回も期待どおりの笑い話が満載でした♪
どの話も難しいことを考えずに読めるのが良いです
シリアスな小説も面白いですが、そういうのを読む気分ではないときに、さくらももこさんのエッセイがオススメです。

「タンスを求めて」という話で、「ももこ心の俳句」というのが登場します。
テレビのちびまるこちゃんで見る「友蔵心の俳句」のモデルになっているのかも知れませんね。
この話は、さくらももこさんが急にタンスが欲しくなり、あちこち探し回るというものです。
タンスを探し始めて一週間、偶然読んだ雑誌に「タンス特集」があり、欲しいタンスが仙台のタンスだということがわかりました。
その後、仙台のタンスが「仙台ダンス」という一つの種類として呼ばれていることもわかり、デパートなら仙台ダンスを売っているのではということになりました。
すぐにタクシーでデパートに直行するさくらももこさん。
デパートでタンスと出会うときの様子を一部ご紹介。

『いろいろなことを考えているうちにタクシーはデパートに着いた。
私は一目散で家具売り場に直行し、遂に仙台ダンスと感動的な出会いをしたのである。
仙台の 仙台ダンス 良いタンス   ももこ心の俳句
このように心の中で一句読み、、少し落ち着きを取り戻しながら店員を呼び、ひと目で気に入った小ダンスを一個注文した。』

「タンスを求めて」の話を最初から通して読むと、この俳句が以外とウケます
結構リズムの良い俳句だと思います。


もう一つ、「写真」という話に出てくる父ヒロシのエピソードも面白かったです。
アルバムを見ていて、父ヒロシの写真に偏りがあることに気づいたさくらももこさん。その様子をご紹介。

『一方、父ヒロシの写真はバカバカしい。町内会の旅行に参加した時の写真か、ツリに行ったときの写真しかないのだ。
ずいぶん若い頃の写真を見ても、町内会の旅行かツリである。
私が生まれて成長して、父と一緒に撮った写真も町内会の旅行かツリである。
彼の人生の記録は町内会の旅行かツリしか残されていないのだ。
彼にとって町内会の旅行とツリは、人生の中のどの記念日よりも重要な事だったらしい。』

このときは電車の中で読んでいたのですが、あまりに「町内会の旅行かツリ」が連発されるものだから可笑しくて吹き出しそうになりました(笑)
「人生の中のどの記念日よりも重要」って、そんなばかな~。。。
結婚記念日とか子供の祝いごとの日は??と思わず突っ込みたくなりました
さすが父ヒロシ、期待通りの面白さです


他にも、「習字のおけいこ」や「小杉のばばあ」、「怠け者の日々」など、面白い話はまだまだあります。
「もものかんづめ」、「たいのおかしら」に続くエッセイ三部作の完結編というだけあり、今までで一番充実した内容だったかも知れません。
今回でついに三部作を読破しましたが、これを機に他にもさくらももこさんの本を読んでみようかなと思います♪
笑いが欲しいときにはさくらももこさんの本がオススメですよ

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