今年最初の小説レビュー。
今回ご紹介するのは「シューカツ!」(著:石田衣良)です。
-----内容-----
仕事も会社も、わからない。
でも今、闘うしかないんだ。
水越千晴、鷲田大学三年生。
仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。
目標は全員で、最難関マスコミ合格!
青春シューカツ小説。
-----感想-----
この作品はシューカツ(就職活動)をテーマにしています。
書店でこの作品を見かけ、装丁がさわやかで良かったこともあり読んでみることにしました。
主人公の水越千晴を含む鷲田大学の三年生七人が、原宿・表参道のレストランで「シューカツプロジェクトチーム」の結成式を挙げるところから物語は始まります。
季節は春。
三年生に進学したのを機に、この七人は熾烈な就職戦線を勝ち抜くために、チームで活動していくことにしました。
七人ともテレビ局や出版社など、マスコミ関係の仕事をしたいと考えています。
この業界の就職試験の難易度は極めて高く、三年生の春から活動を始めて準備しなければ、到底勝ち目はないそうです。
「売り手市場」という言葉が出てきて、感慨深いものがありました。
この作品は2007年の1月から9月にかけて書かれたようです。
2007年の就職戦線がかなりの売り手市場だったのは記憶に新しいと思います。
どの企業も人材の確保に力を入れていて、シューカツ中の人にとっては絶好のチャンスとなっていました。
2008年も、途中まではまずまずの状況だったと思います。
それがたった数ヶ月の間に、日本屈指の大手企業でさえ赤字になり、さらには失業者が溢れるような事態になるとは、多くの人は予想していなかったと思います。
そういったこともあり、ごく最近の就職戦線をモデルにしているはずなのに、遠い昔の話のように思ったりもしました。
作品自体は、とてもさわやかで読みやすかったです
千晴が志望企業の試験に備えて頑張る様子や、不安な心の内なども描かれていて、自分も千晴に感情移入して応援したくなるような作品でした
以下に不安が描かれた部分をご紹介します。
なに者にもなれず、社会のなかに居場所がないまま年を重ねていく。それこそが純粋な恐怖なのだ。
不安なのはただ内定がでないからではなかった。自分の未来の場所がこの社会のなかにない。就職できないことよりも、そちらのほうがもっとおおきな不安だった。自分がこの社会に必要とされない人間ではないのかという根本的な恐怖である。
まったくもって、そのとおりだと思います。
誰でもシューカツ中は、こういった思いに駆られることがあるのではと思います。
今年シューカツを控えている学生さんがこの本を読んだら、だいぶ参考になりそうですね。
東京都内での就職活動なので、行ったことのある場所も登場したりして楽しかったです。
まったく勝ち目がないと思われた勝負で意外と善戦したり、内定確実と思われた勝負でまさかの大波乱が待っていたりと、ストーリー的にもあっと驚く展開があって面白かったです
また、最後の終わり方がさわやかでとても良かったです。
すごく後味の良いクライマックスだったと思います。
2009年最初の読書として相応しい一冊でした
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
今回ご紹介するのは「シューカツ!」(著:石田衣良)です。
-----内容-----
仕事も会社も、わからない。
でも今、闘うしかないんだ。
水越千晴、鷲田大学三年生。
仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。
目標は全員で、最難関マスコミ合格!
青春シューカツ小説。
-----感想-----
この作品はシューカツ(就職活動)をテーマにしています。
書店でこの作品を見かけ、装丁がさわやかで良かったこともあり読んでみることにしました。
主人公の水越千晴を含む鷲田大学の三年生七人が、原宿・表参道のレストランで「シューカツプロジェクトチーム」の結成式を挙げるところから物語は始まります。
季節は春。
三年生に進学したのを機に、この七人は熾烈な就職戦線を勝ち抜くために、チームで活動していくことにしました。
七人ともテレビ局や出版社など、マスコミ関係の仕事をしたいと考えています。
この業界の就職試験の難易度は極めて高く、三年生の春から活動を始めて準備しなければ、到底勝ち目はないそうです。
「売り手市場」という言葉が出てきて、感慨深いものがありました。
この作品は2007年の1月から9月にかけて書かれたようです。
2007年の就職戦線がかなりの売り手市場だったのは記憶に新しいと思います。
どの企業も人材の確保に力を入れていて、シューカツ中の人にとっては絶好のチャンスとなっていました。
2008年も、途中まではまずまずの状況だったと思います。
それがたった数ヶ月の間に、日本屈指の大手企業でさえ赤字になり、さらには失業者が溢れるような事態になるとは、多くの人は予想していなかったと思います。
そういったこともあり、ごく最近の就職戦線をモデルにしているはずなのに、遠い昔の話のように思ったりもしました。
作品自体は、とてもさわやかで読みやすかったです
千晴が志望企業の試験に備えて頑張る様子や、不安な心の内なども描かれていて、自分も千晴に感情移入して応援したくなるような作品でした
以下に不安が描かれた部分をご紹介します。
なに者にもなれず、社会のなかに居場所がないまま年を重ねていく。それこそが純粋な恐怖なのだ。
不安なのはただ内定がでないからではなかった。自分の未来の場所がこの社会のなかにない。就職できないことよりも、そちらのほうがもっとおおきな不安だった。自分がこの社会に必要とされない人間ではないのかという根本的な恐怖である。
まったくもって、そのとおりだと思います。
誰でもシューカツ中は、こういった思いに駆られることがあるのではと思います。
今年シューカツを控えている学生さんがこの本を読んだら、だいぶ参考になりそうですね。
東京都内での就職活動なので、行ったことのある場所も登場したりして楽しかったです。
まったく勝ち目がないと思われた勝負で意外と善戦したり、内定確実と思われた勝負でまさかの大波乱が待っていたりと、ストーリー的にもあっと驚く展開があって面白かったです
また、最後の終わり方がさわやかでとても良かったです。
すごく後味の良いクライマックスだったと思います。
2009年最初の読書として相応しい一冊でした
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。