読書日和

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「ソーシャル・ネットワーク」

2011-01-15 22:18:19 | 音楽・映画
今日は映画「ソーシャル・ネットワーク」を観に行ってきました。

-----内容-----
マーク・ザッカーバーグは、友人のエドゥアルドにサーバ費用などを提供してもらい、ハーバードの学生だけが使える“ザ・フェイスブック”を作る。
ザ・フェイスブックはすぐに多くの会員を獲得し、ハーバード大生以外にも人気を広げていた。
しかしマークは、「アイデアを盗用された」と訴えられる。
そして、サイトが大きくなり、マークが“ナップスター”の創始者に心酔するようになると、親友のエドゥアルドもマークから離れて行く…。
世界最大のSNS“フェイスブック”誕生の裏側を描くヒューマンドラマ。

-----感想-----
この映画は以前から興味があり、観てみたいと思っていました。
日本ではまだあまり馴染みのない「Facebook(フェイスブック)」ですが、全世界では利用者数5億人以上の巨大SNSとなっています。
そのフェイスブックの生みの親、マーク・ザッカーバーグと、彼を取り巻く人間たちが、「フェイスブック」を巡って壮大な人間ドラマを繰り広げていきます。
物語は事実を元に随所に創作を盛り込んで作ったとのことで、ジャンル的には「半ノンフィクション人間ドラマ」になるのかなと思います。
作品に出てくる主な登場人物について、以下に簡単に説明します。

マーク・ザッカーバーグ
フェイスブックの創業者。プログラマやハッカーとして天才的な能力を持つ。

エドゥアルド・サベリン
フェイスブックの共同創業者。マーク・ザッカーバーグの唯一の親友。しかし段々と確執が生まれていき、最終的にマークを訴える。

エリカ
マークの恋人。「アンタがモテないのは性格が最低だからよ」と言い、マークを振る。

ショーン・パーカー
ネット上で音楽ファイルを交換する「ナップスター」を創業した、シリコンバレーの企業家。フェイスブックの存在を知り、マークに近付く。

双子のウィンクルボス兄弟
裕福な家に育ち、次期オリンピックにも出場が期待されるボート部のエース。学内男女のインターネット上の出会いの場“ハーバードコネクション”を作るため、マークのプログラミング能力を利用しようとして近付く。最終的に「アイデアを盗用された」としてマークを訴える。

ディヴィヤ・ナレンドラ
ウィンクルボス兄弟の友人。同じく“ハーバードコネクション”を作るため、マークに近付く。

ほかにも色々な人が出てきましたが、重要だったのはこの7人かなと思います。
これを見て分かるように、親友と恋人以外は、マークを利用しようとして近付いてくるんですよね。
何だか欲望や思惑に満ちているなと思いました。
もともとはウィンクルボス兄弟とディヴィヤ・ナレンドラが“ハーバードコネクション”の立ち上げをマークに持ちかけたことで、フェイスブックの誕生につながっていきます。
なので「アイデアの盗用だ!」となり、知的財産権を主張するのは分かるのですが、自分たちもマークを利用する気満々だったのを棚に上げているのが何だかなと思います^^;
マークを上手いこと使って“ハーバードコネクション”を作ろうと思ったら、マークはその遥か上を行く天才だった、そんなところかと思います。
利用しようとしたほうも、出し抜いたほうも、それぞれ思惑があったわけです。

悲劇的に見えたのは、マークの親友のエドゥアルド・サベリン。
当初はフェイスブックの共同創業者として、主に資金面と事業面でマークとともに頑張っていたのですが。。。
段々と疎外感を感じていく様子が可哀想でした。
シリコンバレーの企業家、ショーン・パーカーが近付いてきたことで、マークとエドゥアルドの関係がおかしくなってしまいました。
ショーン・パーカーを警戒するエドゥアルドとは対照的に、彼に心酔してしまうマーク。
段々とエドゥアルドに断りなくショーンとマークの二人だけで話を進めてしまう場面が目立つようになり、最後は…
あんな形でマークとエドゥアルドの友情に終止符が打たれてしまうとは、残酷だなと思いました。

物語は、マークとエドゥアルド、ウィンクルボス兄弟が裁判で争う「現在の場面」と、フェイスブックとともに走り抜けてきた「過去の場面」が、交互に展開されていく形式となっています。
なので場面はよく切り替わり、またマーク・ザッカーバーグ役の俳優が迫真のマシンガントークを見せていたこともあり、かなりシリアスな雰囲気となっていました。
マークは天才すぎるからなのか、裁判でも過去の場面でも、微妙に話が噛み合わないときがありました。
質問に対して、全く違う答えが返ってきたり。
その辺りも孤高の天才プログラマとしての雰囲気を上手く表していたと思います。

随所に創作があるとはいえ、基本は事実を元にした物語。
フェイスブックの舞台裏にはこんなに濃い人間ドラマがあったのかと思いました。
マイクロソフトがそうであったように、何か画期的なものが登場するときは人と人の思惑のぶつかり合い、確執があるのだなと思います。
マーク・ザッカーバーグは億万長者になるのと引き換えに、大切な親友を失ってしまいました。
それでもこういった天才的な人はきっと立ち止まらず、どんどん先に進んでいくのだろうと思います。

映画はシリアスなまま終わるのかと思いきや、最後の最後に何だか微笑ましい感じの幕引きとなりました。
あの場面のマークが一番人間味があるように見えました^^
観るほうとしても、最後に緊張感が解かれる感じに終わってくれて良かったです