なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

出血性胃潰瘍

2012年01月26日 | Weblog
 80歳女性。出血性胃潰瘍。
 本日、動悸と息切れで内科開業医を受診した。心房細動(心拍数はほとんど正常)を認めたため、心不全疑いで当院循環器科へ紹介された。胸部X線では肺うっ血・胸水はなく、BNPはの上昇は有意ではなく、心エコーで心機能は大きな問題なし。意外に、両側肺に浸潤影があり、肺炎があった。しかし酸素飽和度は正常域。
 採血でHb6.5と貧血があり、循環器科から内科へコンサルトされた。正球性貧血で急性出血が疑われ、直腸指診でタール便があった。患者さんは昨日便が黒いのに気づいていた。高齢だが、ふだん特に病気はなく、通院もしていない。主訴は2日前に出現していることから、上部消化管出血による貧血のための症状と判断された。
 早速、消化器内科で緊急内視鏡検査が行われた。胃体上部後壁に浅い胃潰瘍があり、露出血管を認めた。検査時は胃内に出血はなかった。エタノール局注とクリップで止血術を施行。肺炎もあるので恐縮であったが、消化器内科の入院にしてもらった。鎮痛剤を飲んだわけではないという。ヘリコバクターは陽性。内視鏡を引き抜いた時に大量の膿性痰も排出され、喀痰培養検査に提出した。

 101歳女性。腎障害。
 もともと軽度に腎障害があり、近くの診療所で腰痛症の治療として鎮痛剤を処方されて、ふだんよりも腎機能が悪化した。先週当院内科へ総会され、鎮痛剤(NSAID)を中止して、経過をみている。先週より少し改善したので、そのまま外来で経過をみることにした。久しぶりの明治生まれ。
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