なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心不全の悪化?

2013年01月10日 | Weblog

 74歳女性が咳が続くという訴えで当院の呼吸器外来(大学から応援医師担当)に紹介された。他院から2年前に上肢の骨折で当院の整形外科に紹介になったので、その間内科でも高血圧症・関節リウマチの処方をしていた。骨折が治ってからは、近くの病院へ紹介してほしいといわれて紹介状を書いた。確か息子とふたり暮らしだったほずだが、介護度がアップして施設に入所していた。施設の嘱託医は整形外科の開業医で、だぶん患者さんの診察はしていない。施設の看護師に症状を聞いただけのようだ。

 呼吸器科医から、胸部X線で心不全だろうということで相談を受けた。検査は胸部X線しかしていないので、循環器科医にも声をかけてから、胸部CT・心電図・血液検査を追加した。胸部CTで心拡大の悪化と思われたが、心臓周囲の脂肪が増加していた。右肺に胸水が少しあった。葉間胸水のように見える陰影は浸潤影もようでもあって判断に迷った。BNPは14と正常域で、炎症反応も陰性だった。心電図は下壁梗塞後遺症の所見があり、それは2年前にもすでにあった。新たな病変を示す所見はない。心エコーで診ると、確かに下壁の動きが少し悪いようだという。

 陳旧性心筋梗塞があって、心不全が悪化してきたのかもしれない。それにしても関節リウマチでプレドニン内服を継続しているが、一昨年外来で診たときよりだいぶ太っていた。前は頬のこけた印象があった人だが、今は丸々として別人になっている。軽度の糖尿病になっていた。浮腫もあるが、それよりも体全体に脂肪が増えている。外来で経過をみられそうだった(内科も循環器科も入院が続いて、できれば外来にしたいという、病院の思惑もあったが)。やせるだけで、それぞれの疾患が改善すると思われる。循環器科医と相談の上、利尿剤(ダイアート30mgとアルダクトンA25mgにテオドール200mg分2も追加)を1週間分処方して、来週また診ることにした。

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