「インスリン物語」二宮陸雄著を読んでいる。糖尿病の歴史とバンティングとベストのインスリン発見の経緯を詳細に記載している。インスリンの単位は、インスリンの発見当時に、ウサギ(体重2kg)にインスリンを注射した時に、血糖値が45mg/dl以下に下がって、低血糖のためにけいれんを起こす。これを起こす最少量のインスリンを1単位とした。インスリンを販売したリリー社は体重が1kgのウサギを使ったので、バンティングらの1/2量を1単位とした。その後、そのインスリン量でも強すぎるので、さらにその1/3量を1単位とした。もとのインスリン量の1/6が1単位になった。
1924年に国際的な基準をつくることになり、5か所で製造されたインスリンを使って、ウサギにけいれんさせる方法で検定した。その結果1925年にインスリン製剤(乾燥粉末)1mgを8単位とした。その後にインスリンの製造技術が進歩して、1958年に国際標準インスリンは1mg当たり24単位となった。現在でも、これと比較して単位を決めているそうだ。