なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

嚥下障害は続く

2016年01月25日 | Weblog

 昨年10月に誤嚥性肺炎で入院した87歳男性は、何度も治っては再発を繰り返して、高カロリー輸液にしていた。経口摂取なしでも、口腔ケアを頑張っても、発熱が断続的にあり、胸部X線で新たに陰性が生じていた。結局、高熱で酸素飽和度低下の時に一定期間抗菌薬を使用して、また一定期間休んではまた投与しての繰り返しだった。この週末から発熱と酸素飽和度低下があり、今日は血圧も低下してきた。個室に移動して治療を継続するが、今回は乗り切れずに終わりそうだ。

 同じ病室の93歳男性も誤嚥性肺炎で入院して、治癒後に食事再開した。誤嚥性肺炎で何度も入院しているが、ご本人と家族の希望は、ムセってもいいからとにかく食べたいだった。経口摂取は順調に見えたが、また肺炎になり、入院時よりひどかった。家族にお話しして、人工呼吸は行わず、通常の治療で経過を見ていた。ダメだろうと思っていたが、軽快してきた。末梢の点滴を高カロリー輸液にして、療養型病床にお願いする方針とした。この方は経口摂取を中止して、喀痰吸引でみていると病状は安定していた。週末からとにかく食べたいという要求が続き、ゼリー食くらいは出すことになった。

 明日は、認知症の進行により経口摂取困難になった81歳男性の家族に、胃瘻造設術による経管栄養の話をする予定だ。嚥下障害・誤嚥性肺炎との戦いは、限りなく続いていく。

 「ねころんで読めるてんかん診療」を読み終わって、「てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック」を読み始めた。簡単な脳波の本も読んで、てんかんシリーズはいったん休止しよう。

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