なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

また意識消失

2018年06月04日 | Weblog

 昨日の日曜日の日直で、15歳女性が部活中の意識消失したと救急隊から連絡があった。搬入依頼ではなく、どうしましょうかという相談だった。救急隊では何度も救急搬送していて、事情もわかっていた。名前を聞いて聞き覚えがあると思ったが、昨年に1回診ていた。症状も同じだった。

 救急隊員は、hand drop試験をすると顔を避けます、用手的に開眼させようとすると白目になります(眼球を上転させる)と言う。当地域には精神科病院があるが、休日に引き受けたりはしない。これまでも30分くらいで治っていたので、そのまま当院に搬入してもらった。

 一昨年夏の学校の病院見学中に突然倒れて意識消失が続いた。JCSだと300になる。ストレッチャーに乗せて、いろいろ検査しているうちにすっかり治った。その時は救急当番の外科医が対応して、繰り返す時は小児科外来へと記載されている。その前から学校で時々同じことがあったが、短時間で意識が戻るので受診はしていなかったらしい。

 昨年1月にも同様に突然倒れて(外傷はない)、意識消失がしばらく続いて救急搬入された。意識がすっかり戻って帰宅した。2月の救急搬入時に当方が対応した。検査されていなかったので、頭部MRIを検査したが、異常はなかった。年齢低には小児科の扱いになり、小児科医がてんかんを専門にしている。入院して脳波検査が行われたが、異常はなかった。3月にも救急搬入されていた。

 今年の2月に救急搬入された時には、また小児科に入院して脳波検査が再検されたが異常はなかった。小児科医の結論は、心因性非てんかん性発作(psychogenic non-epileptic sezure:PNES)だった。そして昨日当方が見たのだった。

  搬入時は呼名に反応せず、一応形通りに疼痛刺激を加えると、一瞬顔が我慢してこらえる様になる(しなくてもよかった)。いつもと同じだった。ただ昨日は暑い日でほかにも熱中症の患者さんが来ていた。運動服を来て汗をかいていたので、熱中症の要素も加わっていると判断された。500mlの点滴を2本入れて経過をみることにした。

 点滴が1本半が入ったころに見にいくと、家族に囲まれてニコニコしていた。点滴は途中で中止してそのまま帰宅とした。下の兄弟に重度の脳性麻痺があり、両親の関心がどうしてもそちらに向くことを小児科医が記載していた。

 

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