なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

行ったり来たり~脳梗塞・心不全

2018年06月18日 | Weblog

 地域の基幹病院から転院依頼が来ていた。通常はそのまま受けるところだが、ちょっと訳ありだった。家族に一度来てもらって、今後の治療について相談してから決めることにした。

 患者さんは89歳女性で、5月に脳梗塞で倒れているところを発見されて(一人暮らしだった)、一番近い地域の基幹病院に救急搬入された。心房細動があり、心源性脳塞栓症と診断された。急性期の治療をした後にリハビリを開始したが、ベット事情が厳しい病院なので、6月6日に当院の回復期リハビリ病棟に転院した。

 神経内科医から回復期リハビリ病棟を担当している当院の神経内科医(ひとりだけ)に紹介された。診療情報提供書はごく簡単な記載で、腎機能障害(血清クレアチニン1.5程度)があるので、抗凝固療法はワーファリンにしてあることくらいの記載だった。処方は、ワーファリン・βブロッカー1剤・PPIとシンプルだった。

 転院2日前のCTも送られたCDに入っていたが、両側胸水が貯留していた。当院に来てからリハビリを開始したが、息切れしてリハビリは不可能だった。(胸部CTは前医、胸部X線は当院) 

 

 神経内科医が、こんな病状で転院させてと怒ったらしい。前の主治医に電話したところ、循環器内科と相談して返事をしますといったん電話を切った。そこでさらに向こうの神経内科のトップの先生に電話して、とにかく転送とした。転送後は循環器内科に入院になっていた。

 今回は循環器内科からの転院依頼だった。できる範囲で治療はしたが、ある程度軽減したところで効果は頭打ちになった。ダイアート60mgを使用しているが、悪化時はラシックス20mg静注で対応するよう記載されて、急変時はDNRの方針とある。

 家族に来てもらって、あまりリハビリの対象にはならないこと、急変してももう転院にはしないこと、長期入院になりそうな時は療養型病床への転院もありうること、などをを説明してから当院で受けることにした。

 いつもお願いしている療養型病床のある病院では、診療情報提供書を基に直接家族と面会して、病状悪化時や病状安定時の今後の方針などを相談してから入院を決めている。

 

コメント (1)
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