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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

虫垂炎/腸間膜脂肪織炎?

2018年06月01日 | Weblog

 外科医が産婦人科医に94歳女性のことで相談していた。先週末に右下腹部痛で入院して、3日後に虫垂炎として手術されたという経緯だった。。

 病理所見は虫垂は壁肥厚があるものの炎症像はなく、虫垂周囲に炎症像があるので虫垂炎以外の炎症かというものだった。それで婦人科疾患はあるでしょうか、と相談していたのだった。CTでは回盲部周囲の脂肪織に炎症像が広がり、その中に壁肥厚した虫垂があるので、虫垂炎でいいようにも判断される。放射線科の読影レポートは腸間膜脂肪織炎になっていたが。

 外科医に訊いてみると、腹水が貯留していて、(腸管の処理前の)腹水培養から大腸菌が検出されていた。腸間膜脂肪組織炎で菌が出るだろうかと言っていたが、腸管の穿孔がなくても炎症によりtranslocationはありうるか。

 なかなか難しい。内科では判断がつかないので、こういうのは外科判断になる。保存的に経過をみるのもあるのだろうが、外科は症状や腹部所見(腹膜刺激症状)などを総合的に判断して手術している。術後は解熱して、炎症反応も改善していた。

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