昨日は内科当番だった。当直医が循環器科の先生で、肺炎の入院は診てくれるし(たぶん)、内科入院でも翌日までの指示は出してくれるので、まああまり呼ばれないでだろうと思っていた(実際、連絡はなかった)。
朝病院に来て、当直帯での受診者を確認した。入院は術後の癒着性腸閉塞を繰り返している高齢女性だけで、内科系の入院はなかった。気になったのは発熱で受診した64歳男性だった。
前日から高熱があり、救急外来を受診していた。現在がんセンターに肺癌で通院していて、手術不能と言われているとあった。患者さんの希望はとにかく熱を下げてほしいということだった。当直医はカロナールを処方して、翌日がんセンターを受診するようにと指示していた。特に画像検査や血液検査は施行していない。発熱以外のバイタルは問題なかった。
この患者さんは、今年1月に内科クリニックから胸部造影CT依頼で当院放射線科に紹介されていた。読影レポートは「多発性縦隔リンパ節腫脹・悪性リンパ腫疑い」だった。クリニックからがんセンター呼吸器内科に紹介されたのだろう(当院に呼吸器内科医はいない)。
画像を確認してみたが、縦隔リンパ節腫脹だけで、肺野に腫瘤は指摘できない。細胞診などで肺癌と診断されたとすれば、原発巣は気管右前の腫瘤でこれが肺癌なのか。中等量の心嚢液貯留も気になる。すでに5か月経過している。抗癌剤治療を受けているはずだが、現在の画像はどうなっているのだろうか。