なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脊髄炎

2018年06月05日 | Weblog

 昨日の当直帯に入ったばかりの時に、29歳男性が左半身の脱力としびれで救急外来を受診した。38℃の発熱もあった。朝から左上肢に症状が出て、次第に下肢にまで及んできたという。

 夕方に受診した急性腎盂腎炎の80歳代女性の入院の手続きをしている時に、当直の外科医から相談された。外科医は4月から来ている内科の若い先生(内科専攻医1年目)の先生も呼んだので、先に診てくれた。

 意識は清明で項部硬直はない。左顔面の違和感もあった。脳炎・髄膜炎とは言えないが、さて何だろうということになった。症状が進行しているので、明日まで経過観察というのは危ないと思われた。

 時間外になるが、神経内科医のそろっている(5名)地域の基幹病院に外科医が連絡した。神経内科医に連絡がついて、専攻医の先生も神経所見を伝えた。まず当院でMRを検査して、ということだった。

 頭部MRIでは所見がなかった。次いで頸髄MRIを行うと、頸髄の高信号域があった(T2)。これは有意な所見でいいのだろう。再度電話でMRの結果を伝えると、受けてもらえることになった。何とか家族の車で行けなくはないが、救急搬送してほしいということだったので、そうさせてもらった。

 内科の若い先生は(今のところ)神経内科志望で、「エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI」を持っていた。いくつかの神経疾患のMRI像を見せてもらったが良くわからない。当方としては、これは神経内科の疾患と判断したところで終了になる。正解を知りたいですね、ということで昨日の診療は終わった。

コメント
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