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一発診断
第2回 右季肋部に圧痛がある26歳女性
第2回 右季肋部に圧痛がある26歳女性
Illness Script3
70歳男性
3年前から続く左下腹部痛
上部・下部消化管内視鏡検査・腹部CTで異常がない
痛みは食事とは無関係
嘔気・嘔吐、下痢・便秘、下血なし
左腹直筋外苑に数cm程度の範囲で圧痛あり
カーネット徴候陽性
一発診断は前皮神経絞扼症候群(ACNES)
局所麻酔薬注射で痛みが改善
70歳男性
3年前から続く左下腹部痛
上部・下部消化管内視鏡検査・腹部CTで異常がない
痛みは食事とは無関係
嘔気・嘔吐、下痢・便秘、下血なし
左腹直筋外苑に数cm程度の範囲で圧痛あり
カーネット徴候陽性
一発診断は前皮神経絞扼症候群(ACNES)
局所麻酔薬注射で痛みが改善
前皮神経絞扼症候群(ACNES)
・慢性腹痛の原因の10~20%が腹壁由来
・腹壁由来の慢性腹痛の中で最も多い原因が前皮神経絞扼症候群(ACNES)
第7~12胸髄神経の枝(前皮枝)が筋鞘を貫く部位(腹直筋の外苑付近)で絞扼されて疼痛を来す
疫学
・30=50歳に好発
・女性に多い(男性の3倍)
・小児でも成人と同様に起こりうる
・小児の慢性腹痛の8人に1人
・救急外来受診の腹痛患者の約2%
・好発部位は右下腹部
原因
・特発性が最多54%
肥満、くつい衣服による圧迫、術後、妊娠、スポーツ、外傷など
症状
・鋭い、焼けるような痛み
悪化 咳嗽、前傾姿勢での仕事、重いものを持ち上げる
・あるディにあを認めることもある
・カーネット徴候陽性98%
治療
疼痛部位への局所麻酔
・91%の患者は痛みの程度が1/2に軽快
・78%の患者は数回の注射により完全に痛みが消失
効果不十分な場合は前腹直筋鞘切開術、神経切除術
・慢性腹痛の原因の10~20%が腹壁由来
・腹壁由来の慢性腹痛の中で最も多い原因が前皮神経絞扼症候群(ACNES)
第7~12胸髄神経の枝(前皮枝)が筋鞘を貫く部位(腹直筋の外苑付近)で絞扼されて疼痛を来す
疫学
・30=50歳に好発
・女性に多い(男性の3倍)
・小児でも成人と同様に起こりうる
・小児の慢性腹痛の8人に1人
・救急外来受診の腹痛患者の約2%
・好発部位は右下腹部
原因
・特発性が最多54%
肥満、くつい衣服による圧迫、術後、妊娠、スポーツ、外傷など
症状
・鋭い、焼けるような痛み
悪化 咳嗽、前傾姿勢での仕事、重いものを持ち上げる
・あるディにあを認めることもある
・カーネット徴候陽性98%
治療
疼痛部位への局所麻酔
・91%の患者は痛みの程度が1/2に軽快
・78%の患者は数回の注射により完全に痛みが消失
効果不十分な場合は前腹直筋鞘切開術、神経切除術
・心因性もしくは機能性胃腸障害と診断されていることがある
・確定診断がつくまで13~120か月かかっている
・確定診断がつくまで13~120か月かかっている
一発セオリー
腹直筋外縁付近にみられた指1本で指せる範囲の限局した痛みでカーネット徴候が陽性なら
前皮神経絞扼症候群(ACNES)
腹直筋外縁付近にみられた指1本で指せる範囲の限局した痛みでカーネット徴候が陽性なら
前皮神経絞扼症候群(ACNES)
Illness script 4
右季肋部に圧痛がある26歳女性
現病歴
数日前から右季肋部痛
仰臥位になると痛みが悪化
痛みは深呼吸・体動で悪化
身体所見・検査所見
体温37.6℃、呼吸数14/分、SpO298%
右季肋部に圧痛
Murphy徴候、右CVA叩打痛はいずれも陽性
一発診断は、Fitz-Hugh-Curtis症候群
右季肋部に圧痛がある26歳女性
現病歴
数日前から右季肋部痛
仰臥位になると痛みが悪化
痛みは深呼吸・体動で悪化
身体所見・検査所見
体温37.6℃、呼吸数14/分、SpO298%
右季肋部に圧痛
Murphy徴候、右CVA叩打痛はいずれも陽性
一発診断は、Fitz-Hugh-Curtis症候群
腹部造影CT
肝被膜から実質にかけて辺縁に淡い濃染像
クラミジア・トラコマティスIgA抗体・IgG抗体陽性
クラミジア・トラコマティスPCR陽性
淋菌PCR陰性
肝被膜から実質にかけて辺縁に淡い濃染像
クラミジア・トラコマティスIgA抗体・IgG抗体陽性
クラミジア・トラコマティスPCR陽性
淋菌PCR陰性
Fitz-Hugh-Curtis症候群
概念
・骨盤内炎症性疾患(PID)に由来する肝周囲炎
疫学
・骨盤内炎症性疾患の約10%
起炎菌
・クラミジア・トラコマティス>淋菌
経過
・痛みが下腹部から右季肋部に移動するのが典型的
・3~5割の患者に下腹部痛はなく、右季肋部痛のみ
痛みの特徴
・咳嗽・深呼吸・体動で悪化
・右肩(僧帽筋稜)の放散
身体所見
・Murphy徴候20%陽性
・肝叩打痛
・右肋骨縁で肝摩擦音を聴取
検査
・白血球 正常(50%)もしくは軽度上昇のみ
・CRP 上昇
・肝酵素 正常もしくは軽度上昇
・クラミジア・トラコマティスIgG抗体陽性(既感染を示す)
・クレミジア・トラコマティスIgA陽性(活動性を示す)
検査
・腹部造影CTで肝被膜から実質にかけて辺縁に淡い濃染像[動脈相)、静脈相でも同様の初見を認めることがある(20%)
(必ずしも骨盤内炎症性疾患の画像所見を認めるわけではない)
・腹腔鏡で肝表面と横隔膜・腹膜との間に繊維製癒着(violin string sigh)
治療
・適切な抗菌薬と投与し、パートナーの治療も併せて行う
概念
・骨盤内炎症性疾患(PID)に由来する肝周囲炎
疫学
・骨盤内炎症性疾患の約10%
起炎菌
・クラミジア・トラコマティス>淋菌
経過
・痛みが下腹部から右季肋部に移動するのが典型的
・3~5割の患者に下腹部痛はなく、右季肋部痛のみ
痛みの特徴
・咳嗽・深呼吸・体動で悪化
・右肩(僧帽筋稜)の放散
身体所見
・Murphy徴候20%陽性
・肝叩打痛
・右肋骨縁で肝摩擦音を聴取
検査
・白血球 正常(50%)もしくは軽度上昇のみ
・CRP 上昇
・肝酵素 正常もしくは軽度上昇
・クラミジア・トラコマティスIgG抗体陽性(既感染を示す)
・クレミジア・トラコマティスIgA陽性(活動性を示す)
検査
・腹部造影CTで肝被膜から実質にかけて辺縁に淡い濃染像[動脈相)、静脈相でも同様の初見を認めることがある(20%)
(必ずしも骨盤内炎症性疾患の画像所見を認めるわけではない)
・腹腔鏡で肝表面と横隔膜・腹膜との間に繊維製癒着(violin string sigh)
治療
・適切な抗菌薬と投与し、パートナーの治療も併せて行う
一発セオリー
若年女性が深呼吸・体動で悪化する右季肋部痛を訴え、肝機能に異常がなければ、
Fitz-Hugh-Curtis症候群
若年女性が深呼吸・体動で悪化する右季肋部痛を訴え、肝機能に異常がなければ、
Fitz-Hugh-Curtis症候群